「Century books 人と思想」シリーズの本 既刊本リスト (清水書院) その10(II)
大人の教養 / リベラルアーツ。
既刊本一覧 目次
I | 1-10 | 11-20 | 21-30 | 31-40 | 41-50 | 41-50(II) |
---|---|---|---|---|---|---|
II | 51-60 | 61-70 | 71-80 | 81-90 | 91-100 | 91-100(II) |
III | 101-110 | 111-120 | 121-130 | 131-140 | 141-150 | |
IV | 151-160 | 161-170 | 171-180 | 181-190 | 191-200 |
「人と思想」 既刊本一覧 No.91〜100
91 | 大杉栄 | 大杉栄 (Century Books―人と思想) 高野澄 清水書院 2016-05 売り上げランキング : |
|
92 | ボンヘッファー | ボンヘッファー (Century Books―人と思想) 村上伸 清水書院 2014-08 売り上げランキング : 245043 |
|
93 | ケインズ | ケインズ (Century Books―人と思想) 浅野栄一 清水書院 1990-11 売り上げランキング : 169819 |
|
94 | エドガー A. ポー | エドガー・A・ポー (Century Books―人と思想) 佐渡谷重信 清水書院 1990-10 売り上げランキング : 841578 |
|
95 | ウェスレー | ウェスレー (Century books―人と思想) 野呂芳男 清水書院 1991-01 売り上げランキング : 827106 |
|
96 | レヴィ・ストロース | レヴィ=ストロース (CenturyBooks―人と思想) 吉田禎吾 浜本満 板橋作美 清水書院 2015-08 売り上げランキング : 1244740 |
|
97 | ブルクハルト | ブルクハルト (Century Books―人と思想) 西村貞二 清水書院 1991-03 売り上げランキング : 259032 |
|
98 | ハイゼンベルク | ハイゼンベルク (Century books―人と思想) 小出昭一郎 清水書院 1991-07 売り上げランキング : 1004049 |
|
99 | ヴァレリー | ヴァレリー (Century Books―人と思想) 山田直 清水書院 1991-05 売り上げランキング : 1124586 |
|
100 | プランク | プランク (Century Books―人と思想) 高田誠二 清水書院 1991-12 売り上げランキング : 356191 |
《内容》
91 | 大杉栄 (wikipedia:大杉栄) 人間の自由というものの重さについて、近代的な日本語によってはじめて明快な説明をつけてくれたのが大杉栄の文章だった。自由とは個々の人間の好みの問題ではなくて、それがなければ人間として生まれた意味がないというほど重要、かつ切羽つまったテーマであることを、言葉と行動でしめしたのも大杉だった。自由の重要性を思い、自由を願うまでなら安穏でいられるが、じっさいに自由になろうとすると国家や社会の壁に衝突する。そういうときに勇気をつけてくれるのは大杉の言葉――「美は乱調にある、階調は偽りだ」なのである。人間の自由の領域を喰いあらして国家が強くなる傾向の痛感されるいま、大杉の言葉は何にもまして美しくひびく。 (表カバー) |
92 | ボンヘッファー (wikipedia:ディートリヒ・ボンヘッファー) 第2次大戦がドイツの敗北で終わる1ヶ月前に絞首台の上で、39歳の生涯を閉じたプロテスタントの牧師がいた。ディートリッヒ=ボンヘッファー(1906〜45)である。彼はなぜ処刑されたのか。ナチスの暴虐に抵抗してヒトラー陰謀に荷担し、ヒトラー暗殺計画の一員となったからである。生来の才能を存分に開花させて、わずか21歳で神学博士の学位を受けた天才的神学者、ガンジーを尊敬する平和主義者であったボンヘッファーが、いったいどうして「ヒトラー暗殺」などを考えるようになったのか。本書はこの驚くべき謎に挑み、その内面の苦闘を彼自身の言葉によって跡づける試みである。戦後のキリスト教、さらに広く思想界一般に与えた衝撃を、その源泉に遡って解明する。 (表カバー) |
93 | ケインズ (wikipedia:ジョン・メイナード・ケインズ) 人間の幸福とはなにか。それを愛と美と真の享受と捉えたケインズは、生涯をかけてそれを追求するとともに、すべての人が幸福を実感しうる社会をつくろうと政治・経済・芸術などの広い分野で全精神を傾けた。たしかに福祉国家はケインズなしにもつくられたことであろう。しかし、かれによる経済理論の核心とそれに基づく新しい経済政策の唱導がなかったら、その実現のために世界はもっと多難で遅々とした歩みを経験したにちがいない。第2次世界大戦後、「ケインズ時代」とよばれるケインズ経済学隆盛の一時期があったが、時代環境のことなる今日のわれわれは、現代の目でかれの業績を再評価し、その正当な遺産を正しく受け継ぐ必要があろう。 (表カバー) |
94 | エドガー=A=ポー (wikipedia:エドガー・アラン・ポー) ポーの生涯は悲惨をきわめた。しかし、その悲惨の本当の姿を知る者は少ないのである。その悲惨さは純粋に生きようとすることから生まれたものであれば、私たちは《生》の不条理を嘆かざるを得ない。しかも、ポーは19世紀前半の政治にも、知的にも未熟なアメリカ社会の中で、知のために生きるより《愛》と《美》のために生涯を捧げた。金銭のために死ぬことよりも《愛》のために死ぬことを喜びとしたのである。人生は偉大な闇である。偉大なる闇の中にこそポーの芸術が《神霊[ダイモーン]》の光を放って、われわれの魂の中に浸透するとき、誰もが寂寞の感にうたれるであろう。ポーの生涯とその芸術の真髄を知る者のみが己の人生を語る資格を手にするのである。そしてポーの生の苦悩と愛の彷徨は人生の永遠のアポリアでもある。 (表カバー) |
95 | ウェスレー (wikipedia:ジョン・ウェスレー) イギリスが産業革命によって大きく変動していた18世紀、ジョン・ウェスレーは英国国教会内にメソジスト運動を興した。その運動は社会の下層にいた人々に広く受け入れられ、衰えきっていた宗教心を再興することとなった。このメソジスト運動の基調となった信仰は、ウェスレーが34歳の時に内的な苦闘の結果、ロンドンのアルダスゲイト街における小集会で得た回心体験を土台とするものであった。回心後のウェスレーは馬にまたがり、愛と平和の福音を宣べ伝えるために旅する人となった。ウェスレーの神学、また、メソジスト運動の影響は、今日のキリスト教世界の中に広く深く浸透している。 (表カバー) |
96 | レヴィ=ストロース(wikipedia:クロード・レヴィ=ストロース) 現代フランスの生んだ最も偉大な学者の一人であるレヴィ=ストロースは、文化人類学者という名称では包みきれない、幅の広い、きわめて独創的な学者である。その影響は人類学にとどまらず、文学・神話・古代哲学・神学・芸術などの研究にたずさわる人びとのなかに興奮の渦をまきおこした。レヴィ=ストロースの構造主義の方法が他の人文・社会科学に適用されるところから、文学・言語学・神話学・経済学・社会学・人類学などの学問の領域間の壁をこわしてしまったとも言われている。本書では、レヴィ=ストロースの人間像にもふれつつ、構造主義とは何であるのか、そしてそれはいったい現代の文明にどのようなかかわりがあるのかについて、平易に解説した。 (表カバー) |
97 | ブルクハルト(wikipedia:ヤーコプ・ブルクハルト) ブルクハルト(1818〜97)は、普及の名著『イタリア・ルネサンスの文化』によってわが国でつとに知られている。文化史家であるばかりでなく、西洋美術の全域に通暁した美術史家でもあった。とりわけ『世界史的考察』における犀利な文明批評は、20世紀にたいする予見また警告として近年注目の的となっている。「忍従し努力し行為する人間」という彼の内奥の声は読者の心に強く訴えるであろう。しかし読者は、そこから過去へのきびしい反省と同時に未来へのはげましを聞くことができよう。 (表カバー) |
98 | ハイゼンベルク(wikipedia:ヴェルナー・ハイゼンベルク) 20世紀に入って物理学は革命的な変貌をとげたが、そうして出来た現代物理学の二本の柱が相対性理論と量子力学である。相対性理論が殆どアインシュタイン一人によって造られたの対し、量子力学の建設には多数の人々が貢献した。そうれは、ここ山梨から見える孤高の富士山と南アルプスの山脈に似ている。その南アルプスの最高峰北岳にたとえられるのがハイゼンベルクである。これらの理論の本格的勉強は、三千メートル級の登山と同様にきつい。しかし、山々はその壮麗な姿を遠望するだけでも素晴らしい。読者は本書をそんなつもりで読んで頂きたい。二度の世界大戦を敗戦国ドイツ人として経験し、ナチス時代にも祖国で苦難に耐えた人間としてのハイゼンベルクの生きざまから、ときには反面教師として、私達は多くの教訓を学ぶことが出来るであろう。 (表カバー) |
99 | ヴァレリー(wikipedia:ポール・ヴァレリー) 私たちは今、私たち人類自身が産みだした科学技術の巨大な怪物を扱いかね、逆にこれによって翻弄されている。この事実は、一部の識者だけでなく、現在、世界的規模で論じられている核問題・環境汚染問題・臓器移植問題などによって、私たちのすべてが身近なものとして痛感させられている。科学の急速な進歩に人間の心と精神が追いつけなくなっている現状は誰の目にも明らかで、もしヴァレリーが生きていたら何といったであろう、と思わざるをえない。彼はすでに約一世紀前の1919年に『精神の危機』を発表し、技術偏重によって商品化した科学を指弾して、人類に警鐘を打ち鳴らしている。ところが人間は彼の警告を無視して反対の方向へつっ走り、彼が恐れていたような今日の危機を招いてしまった。どうすれば私たちは正しく機能する精神を復活させ、人間性を取りもどすことができるだろうか。今こそヴァレリーを読み、彼から学ぶべきである。 (表カバー) |
100 | ヴァレリー(wikipedia:マックス・プランク) 難病と闘うホーキング博士が展開している新しい宇宙論では、いつも相対論と量子論とが並べて話題にされる。さて相対論の元祖は、誰もが知るアインシュタイン。一方、量子論の元祖プランクの名は、さほどポピュラーではない。19世紀最後の月から20世紀の最初の月にかけて構想された彼の学説が、量子論の端を開き新しい物理学を開拓したのだ。その百年記念も遠くない。今日のハイ・テクノロジー例えばレーザー技術は、プランク理論を抜きにしては成立しない。そのプランクは、両大戦期を含む90年ほどを、物理学者として、ナチス政策に精一杯の抵抗を続ける廉直の学会リーダーとして、伝道旅行に情熱を傾ける宗教人として、誠実に生きた。本書は、彼の理論の現代的な意義、科学技術史の中での彼の足跡、論著とその邦訳が日本の思想界に与えた影響を、人間プランクに密着して描き出そうとするものである。 (表カバー) |