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2017-03-27

村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』

| 09:58 | 村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を含むブックマーク

晴。
すごくおもしろい夢を見ていて寝坊した。殆ど覚醒に近い状態で見ていたので、よく覚えている。何と若くて金持ちの女の子と結婚する夢で(笑)、願望充足も甚だしいと思われるかも知れない。まあそうなのだが、自分としては階級ギャップ自分がどう対応するかという夢で、それが大変におもしろかった。ちなみに女の子はまったく会ったことも見たこともない子で、それはどこから来たのかわからない。まったく夢というのは奇妙なものである。それにしても幸せな(?)夢でした。

ベートーヴェン弦楽四重奏曲第六番 op.18-6 で、演奏はアンフィオン弦楽四重奏団。初めて聴くカルテットだが、いま正確に判断する能力を欠いているけれど、きびきびしていいベートーヴェンだと思った。この曲、好きなのです。

メンデルスゾーン交響曲第四番 op.90 で、指揮はグスターボ・ドゥダメル。僕はドゥダメルはよく知らないのだが、これを聴くと力のある指揮者であることはまちがいないようだ。ただ、これだけではまだよくわからない。なお、この動画は音質があまりよくない。

リストの「巡礼の年:第一年〜スイス」で、ピアノはアンドレ・ラプラント。ラプラントというピアニストは初めて聴いたが、これは名演だ。ベルマンやブレンデルの録音にも劣るまい。そもそも僕はこの曲が大変に好きなのだが、長い上に複雑難解で、集中力を保たせるのがいつもなかなかむずかしいのである。この動画では演奏に応じて楽譜が映し出されるので、これはとてもありがたかった。You Tube 独特の聴き方といえるだろう。僕は楽譜をそのまま音にできるわけではないので、参考に見ているだけであるが、この曲の複雑さには驚かされた。「オーベルマンの谷」など、初めて全曲を集中して聴けてよかった。僕にはこれは聴いただけで全体を理解するのは無理である。リストという人は確かに派手なだけの曲も書いたが、この曲のように極度に内省的な、いわば「前衛的な」曲も書いていておもしろい。いや、いい「音楽鑑賞」(って変な日本語だが)でした。

え、この曲って村上春樹小説に出てくるの? その「多崎つくる」云々の小説、三日前に BOOK OFF で買ったのですけれど。どうりでコメント欄で皆んな Haruki Murakami とか言っているわけだ。しゃあない、この小説、読んでみるか。

夕方、某スーパー備え付けの自動プリント機で旅行写真プリントする。意外と画質がよくて驚いた。以前使っていたイオンの中の写真屋のプリントよりもきれいかも知れない。

村上春樹色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年読了。ラスト以外はすばらしい小説だった。惹き込まれて二時間ほどで読んだらしい。簡単にいうと「死と再生」の物語ということになるのだろうが、むしろエンタメ的お話として優れた出来だと思った。主人公フィンランドエピソードでは、思わず感極まってしまったほどである。僕は先入観としては村上春樹は好きではないようだが、実際に読んでみるといつもアンチ村上にはなれないと思う。それくらいおもしろいのだ。
 以下、ネタバレになるので、それが嫌な人は読まないで下さい。まず、ラストが気に入らない。前にも書いたが僕はお話はよほどでない限りハッピーエンドを求める単純な人なので、この曖昧なラストには納得できない。正直言って、著者は主人公に対して充分過酷だったと思う。著者は全能であるにせよ、主人公に与えられる試練はヒドすぎる。というような苦情はアホな苦情なのですが、どうもそういいたくなるくらい多崎つくるに与えられた試練は悲惨である。これがむくわれない筈はないと思いたいのであるが、やはり村上春樹も「ハッピーエンド物語を壊す」という小説観の持ち主らしい。
 それから、「シロ」の遭遇した事件はわけがわからないのだが、「シロ」の対応の理由が結局最後まで説得的でない。どうして主人公がこんな悲惨仕打ちを受けなければならなかったのか、まるで理解できないのだ。また、「灰田」のエピソードもまったく宙ぶらりんである。これも主人公解決せねばならないと考えるのだが、結局そのままである。「緑川」のオカルティックな挿話も機能していない。以上、プロットとしては破綻していると言わざるを得ない。たぶん、著者にもこれはコントロールできないのだろう。
 最後にリストの「巡礼の年:第一年〜スイス」についてであるが、なかなか上手く使われていると思う。ただ、自分がとりわけ好きなのは主に前半で、今日エントリの最初に書いたとおり、後半は自分にはかなりきついのであって、本書で重要なのは(後半である)第八曲の「Le Mal du Pays」なのだった。あとで聴いてみよう。

しかし、村上春樹名古屋に何か怨みでもあるの? かなりヒドい書きっぷりなのであるが。まあ東海地方というのはつまらない地域であると我ながら思うが、それでも他人からひどく書かれるあまりいい気はしない。そんなに東京がすばらしいのですかね。まあ田舎者にはわからないことだが。

いま思うと、この小説異性愛小説であるような体裁だが、根底ではホモセクシュアル領域に深く関係があるように感じる。「灰田」のエピソードが完全にそれであろう。そして異性への嫌悪と、去勢の恐怖が根底にあるような気がする。精神分析的に深読みし過ぎかも知れませんが。ラストの曖昧さはもしかたらそれに関係があるのかとも思う。となると、ラストはじつはアンハッピー・エンドであり、主人公は二度と立ち直れないのかも知れない。何だか魂が冷え切っていくような話ですが。そう思うと、「緑川」のエピソードが極めて死に近いというのも納得されるようで、主人公の命もここまでなのか。ヒドい読みだなあ。

mathnbmathnb 2017/03/27 17:28                http://archive.fo/9rcx
               
梅村 浩 氏 (多元数理科学専攻教授) が == 解の 「盥回し」∈C3 == に 言及しています。

3次方程式  f(x)=x^3+6*x^2-8=0 のガロア群

   横戸宏紀「学コン・こぼれ話『巡回する解』」】 に 倣い 導出法を明記し 
(1)他の解 を αの ■2次以下の元 表現して下さい;


(2)上とは独立に  導出法を明記し 他の解達を α の ●一次分数式で 表現してください!

>早稲田大学 基幹理工・創造理工・先進理工学部(2017) 方式。

     
 https://www.youtube.com/watch?v=feMG6xIqhgM  
 > 『盥回し』 群 Cn

2017-03-26

こともなし

| 15:44 | こともなしを含むブックマーク

日曜日。雨。

統合モスバーガードライブスルーで昼食。PC遊び。

ベートーヴェンヴァイオリンソナタ第一op.12-1 で、ヴァイオリンアンネ=ゾフィー・ムターピアノランバート・オルキス

僕は例の「森友学園」の騒動にはあまり興味がなく、ブログでも言及するつもりは元々なかったのだが、あるネット記事を見てどうも気になったのでそれだけリンクしておく。
財務省OBが見た、森友学園問題の本質と予測される「残念な展開」(?橋 洋一) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)→(2ページ目の魚拓
この記事を書いた高橋洋一氏は財務省OB経済政策に精通していると見做され、いまの日本の良質な知識人たちからリスペクトされている経済学者である。僕が気になったのは、高橋氏が財務省のもし本当なら非常に悪質であるというべき行為(それが実際になされたかどうかはいまだわかっていない)に関して、これを「財務局財務省)の事務ミス」と言っていることである。僕に政治はよくわからないが、高橋氏が仰っているとおり(もし事実なら)「官僚には許されざる行為」を、「事務ミス」と言うのが「政治的に正しい」ふるまいというものなのだろうか。エリートたちのやることは、まったくバカ庶民にはわからないことばかりである。このようなことを言っている自分などは、高橋氏から見ればきっと愚民なのだろう。まあ事実そうなのであるが。高橋氏は、たぶん政治家官僚の「ウソ」など、政治本質ではないと思っておられるのだろうな。なるほどというものである。こうして何もかもウヤムヤになっていくわけか。

なお、この記事は最初田中秀臣先生ブログで知った筈で、田中先生はこの記事に強く賛同しておられたように記憶しているが、いまこの記事を書くためにリンクを調べようとしたら、それらしい記述は見当たらなかった。僕の勘違いか、田中先生が削除したのかはいまとなってはよくわからない。

2017-03-25

桂利行『代数幾何入門』

| 10:12 | 桂利行『代数幾何入門』を含むブックマーク

晴。

図書館から借りてきた、桂利行代数幾何入門』にざっと目を通す。まあ目を通したというだけ。

共立講座21世紀の数学 (17) 代数幾何入門

共立講座21世紀の数学 (17) 代数幾何入門

昼から仕事

エミールアルティンガロア理論入門』にざっと目を通す。この本に慣れようと思う。

ガロア理論入門 (ちくま学芸文庫)

ガロア理論入門 (ちくま学芸文庫)

小平先生の『解析入門』を拾い読みしていて、ふと「実数の連続性」の証明を追ってみたら、結構むずかしかった。まず有理数の切断(有理数は既知とされる) <A,A'> を考え、これを「実数」と定義する。こんな風に実数定義するのである。ここで A, A' は有理数を二つに分割したもので、「r∈A, s∈A' ならば r < s」とされる。このとき、(事実としては必要ではないが)A に属する最大の有理数はないとされる。このとき A' の含む最小の有理数はあるかないかのいずれかで、「ある」とされれば実数 <A, A'> はその有理数に等しいとする。ここで実数の中身のようなものがようやく出てくるわけだ。また「ない」という場合は、<A, A'> を特に「無理数」と呼ぶ。

こんな具合である。これらから、同様に実数の切断 <B, B'> を考え、B に含まれる最大の実数があるか(このとき B' には最小の実数はない)、あるいは B' に含まれる最小の実数があるか(このとき B には最大の実数はない)のいずれかであることを導き出す。これが「実数の連続性」だというわけだ。

じつに巧妙な方法である。小平先生によると、デデキントの「切断」も、このようにまず有理数を使ったものらしい。岩波文庫デデキントが入っているので、そのうちきちんと読んでみよう。

なお、A に属する最大の有理数 a があるとすればどうなるか。このときは A' に最小の有理数存在しないことになる。なぜなら A' に最小の有理数存在するとすれば、それは(有理数稠密性より) a に等しいと考えざるを得ず、A ∩ A' ≠∅ となってしまうから。これは実数の連続性の証明としては余分なので、必要ないということであろう。

ついでなので杉浦光夫『解析入門I』も見てみたら、実数の連続性は公理になっていて、証明されていなかった。

軽装版 解析入門〈1〉

軽装版 解析入門〈1〉

軽装版 解析入門〈2〉

軽装版 解析入門〈2〉

mathnbmathnb 2017/03/26 00:15
早稲田 http://nyushi.nikkei.co.jp/honshi/17/w09-21p.pdf#page=3

 の 模倣犯に なります; f(x)=3*x^3-3*x+1 , g(α)=(a*α+b)/(α+d) とし,

f(x)=0 の 解 を α と すると , g(α) も 解 [ <---「おい おい おまえも かい!」]

となる g を 定め, g(g(α)),g(g(g(α))),... 達を 求め 尽くして 

  感じた ことを 数学的に 詳しく 記して下さい;
 
 
 
 
 Q[x]/(3*x^3-3*x+1)
 |
 |
 |
 Q
 -------------------------------------------
 
  諄い !^(----2017------) と 叱られ そう.......
 
https://www.youtube.com/watch?v=0MhH5v89PDQ

mathnbmathnb 2017/03/26 13:39 >しかし、市の図書館だけでなく、県の図書館にも、
>ランダウ=リフシッツの大教程すらないとは… 
>ダメだなあ、岐阜は。

代数幾何學の書籍完備 とは
岐阜県民はすごいなぁー

obelisk2obelisk2 2017/03/26 15:50 どの本も自分のレヴェルを超えているのですけれどね…
しかし、県の図書館、自分には不満もあるのですが。それでもそれほど遠い場所にあるわけでないのは確かにありがたい。

mathnbmathnb 2017/03/27 09:19      その時 歴史が動いた 〜時代のリーダー;(若き頃のガウスの日記を覗見する!;)
      
http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/020/691/47/N000/000/006/149057048516148420178.gif

(0) 「おなじ 匂いが する 問題群↑ を 先ず 鑑賞願います」

「その後 鑑賞論文を書いてください!^(2017)」



【ああ言えばこう言う】を 肯定したいで せう。 即ち

 (1) 若き ガウス が 他の解達を ζの ●有理式∈Q(ζ) で 表現しているが 

  ζ の ■多項式∈Q[ζ] (の 3次以下の元) 表示を してください!
  
 (2) 早稲田が  他の解達を α の ●一次分数式で 表現しているが 

  α の ■多項式∈Q[α] (の 2次以下の元) 表示を してください!
  
(3) 最下段で 他の解 を αの ■2次以下の元 表現しているが

      他の解達を α の ●一次分数式で 表現してください!
     
     
     
発想イ [ その際 ◇表示の具現は 独立に で;! ]

発想ロ [[その際 ◇表示の具現は 他方に従属し 其れを用いて表示を ;!]

https://www.youtube.com/watch?v=AImrOR_qqSg

2017-03-24

釈徹宗&秋田光彦『仏教シネマ』/中村雄二郎『テロは世界を変えたか』

| 12:15 | 釈徹宗&秋田光彦『仏教シネマ』/中村雄二郎『テロは世界を変えたか』を含むブックマーク

晴。

久しぶりにプロジェクト・オイラーをやってみたが(70番台後半あたり)、全然進まなかった。オレって頭悪いわと思う。でも、これってむずかしいですよね。英語Wikipedia数学記事などを読みながら考えていたのだが、それを理解するのすら容易でない。

夕方、久しぶりに BOOK OFF へ行く。ブログを検索してみると五箇月ぶりか。買おうと思えばいくらでも買えるが、買いたい気の起こる本があまりなかった。釈徹宗さんの対談本と村上春樹のそれぞれ文庫本を買う。たぶんこの BOOK OFF撤退してももうあまり残念に思わないだろうな。ちなみに、お客さんは結構入っていた。

釈徹宗秋田光彦『仏教シネマ』読了今日買ってきた本である。変なお坊さん二人(笑)がシネマ痴ぶりを発揮しつつ、宗教、特に(当り前だが)仏教について、また病や老や死や葬式などについて、縦横無尽に語った対談集とでもいおうか。僕は映画というものを殆ど観ないので本書がわかったかどうか心もとないが、色いろ空想しながら読ませて頂いた。本書の内容とは直接関係がないけれども、自分はたぶん孤独死する可能性が高いが、最後は森の中で死ぬのも悪くないなあなどと読みながら思った。ただこれは他人にかなり迷惑をかけるので、実際には無理だろうけれども。本書では釈さんは特に森羅万象に対して深いセンスがあるのが感じられ、真宗の中にもこういうレヴェルの高いお坊さんがいるのだと改めて感じ、奇特なことに思われた。日本仏教は現在かなりレヴェルが低くなってしまっており、知性と宗教性を併せ持った僧侶はあまり存在するように(自分には)見えないが、まだこういう人がいるのだと、いや、また同じことを言っていますね。おそらくは最後の灯火のひとりであろうか、釈師は。これからも軽いノリで大切なことを言いまくって欲しいものだと思う。

仏教シネマ (文春文庫)

仏教シネマ (文春文庫)

今日買った二冊とも、アマゾンマーケットプレイスで買った方が(送料を支払っても)安いことに気づいた。だからどうということはないけれど。

夫のちんぽが入らない

夫のちんぽが入らない

まったくどうでもいいけれど、すごい題名だな(笑)アマゾンの現在の「日本文学ランキング一位なんだって。いや、読んでないですよ、僕は(笑)

図書館から借りてきた、中村雄二郎『テロ世界を変えたか』読了

テロは世界を変えたか

テロは世界を変えたか

2017-03-23

「龍の歯医者」を観る

| 08:49 | 「龍の歯医者」を観るを含むブックマーク

曇。
早寝して11時間くらい寝た。寝るときは寝られるものだな。

花粉症がひどくて目がしょぼしょぼする。

音楽聴く。■モーツァルトピアノソナタ第六番 K.284(クリストフ・エッシェンバッハ参照)。■スカルラッティソナタ K.153、K.154、K.155、K.156、K.157、K.158、K.159、K.160、K.161 (スコット・ロス参照)。やはりスコット・ロス、すばらしい。ついもう一曲と聴いてしまう。■プラッティフルートソナタ第六番ト長調 op.3-6 (ウォールベリ参照)。プラッティ聴くたびにいつも同じことを書いているけれど、ホント音楽ってこれだけで充分な気もする。単純で忘れ去られた音楽だけれど。もう一度好きな人でもできたら、この CD を贈ろうかなっていうのは冗談ですが。

現代統計学時代だ。我々の人生も何もかも、統計的に処理される。別にそれがいけないわけではないけれど。ただ、我々が統計学を万能に思う(「統計学が最強の学問である」)という、そういう傾向にあるのは否めない。それが現代正義なのだ。

ちなみに僕は簡単数学知識以外に、統計学のきちんとした訓練を受けたことがない。統計学って常識でしょ、って確かに。統計学くらい勉強しておいていうべきだよね。ああ、勉強すべきことは色いろあるなあ。

昼から仕事

このところ書いていることが暗いな…。もっとポジティブにいこう。ってできるかな

とってもキュートな風景芸術的。びよよんって乗りたい。

NHK で放映された「龍の歯医者」をようやく観た。おもしろくないことはなかったけれど、僕はよほどの場合でない限りアンハッピー・エンドは大嫌いなのである。単純ですみません。むかついたので観るのではなかったという感じ。それに、アニメではあるけれど戦争虐殺シーンの連続で、ホントに皆んな殺すのが大好きなのだなあとも思った。まあ荒唐無稽想像力舞城王太郎らしいけれど、なんだかバカバカしい。おっさんにはこういうのはわからないのですかね。

2017-03-22

足立巻一『やちまた(下)』

| 13:36 | 足立巻一『やちまた(下)』を含むブックマーク

晴。
寝坊

昼過ぎまで睡眠の後始末。寝ていると脳みそが色いろやってくれやがるので、あとが大変である。

足立巻一『やちまた(下)』読了。下巻の半分くらい読むのに数時間かかった。何ともしんどかったが、それだけのことはあった。これはとてつもない本だな。この下巻は殆ど著者の自伝であるというべきであろう。それも優れた文学になっているのだが、あまり文学という言葉も使いたくないくらいである。僕は人生というものをあまり語りたくないのであるが、本書を読んでいて人生というものを考えざるを得なかった。人の一生って何だろうという、素朴な疑問である。それぞれの人にそれぞれの一生がある。当り前の話である。そして人生意味などないが、誰の人生にせよ尊いというのもまた真実である。それは宣長のような偉大な一生でもあるし、春庭のような天才ならねどもたゆまぬ歩みを続けた一生でもあるし、また誰の記憶にも残らない凡人の一生でもあるだろう。でなんだといわれるともういうことがない。何度も落涙させられそうになりながら読了したことを付記しておこう。センチメンタルな男である。

著者は中国戦線から生きて帰ってきたわけだから、当然人を殺した経験があるだろう。戦争というものを考えると底なしな感じがする。我々戦争体験のない人間に、戦争の本当の姿が見えるのか、自分にはわからない。戦争を考えるには冷静でなければならないようだが、とてもそんな風には自分はいかない。国家冷徹な利害得失の考察。それがいけないというわけでなく、そうやって戦争はするものなのだろうが、そういうことを考える人間が戦場にいかないことは確実である。国家というのも謎なのだ。国家というのははたして必要なのかとも思うが、既に強固に存在する国家消滅させることはまずは不可能である。せいぜい柄谷行人のように、「統制的理念」などという他はない。

2017-03-21

こともなし

| 09:34 | こともなしを含むブックマーク

雨。のち晴。

昨晩は午前三時頃まで『やちまた』を読んでいて、もうこれは寝ないとと思って寝た。で、入眠時に怖い夢(?)のようなものを見る。ゾッとした。何か無意識が告げたのか、しかし意味はよくわからなかった。

ブラームスヴァイオリンソナタ第一op.78 で、ヴァイオリンはチョン・キョンファピアノイタマール・ゴランヴァイオリンという楽器にはどこか本質的な哀愁があるように思えるが、そういうヴァイオリンを弾く典型がチョン・キョンファであるように思っている。このブラームスはおそらく完全に手の内にあるのだろうが、一音たりとも弾き飛ばされた音はなく、すべての音に気持ちが篭っているようだ。ただ不思議なのはピアニスト選択で、ゴランというのはそれなりに知られた人らしいが、個性というものがまったく感じられない。悪くはないがまったく凡庸ピアノに聴こえるけれど、どうなのであろう。少なくともこの演奏では、チョン・キョンファしか聴こえてこない。それでも名演の部類なのかも知れないが。

シューマンピアノソナタ第一op.11 で、ピアノエミール・ギレリス。1959/2/27 Live. ギレリスはちょっといまのこちらの気分に合っていなくて、これはこちらが悪かった。しかし明晰な演奏で、曲の有り様がよくわかるのはさすがにギレリス。まさしくニーチェのいうアポロン的である。大理石彫像のよう。

ちょっと頭が疲れているので、今日クール・ダウンするか。

昼から仕事

関数型プログラミングをちょっとだけ勉強する(参照)。まだいまひとつよくわからない。
オブジェクト指向クソ」みたいなブログエントリを見かけたのだが、そうなのかなあ。

2017-03-20

足立巻一『やちまた(上)』

| 08:47 | 足立巻一『やちまた(上)』を含むブックマーク

休日(春分の日)。晴。のち曇。

別宮貞雄ヴィオラ協奏曲(1971)で、ヴィオラ今井信子、指揮は若杉弘NHK交響楽団。めっちゃおもしろい。日本人作曲家というのは世界的に見れば大したことはないのかも知れないが、自分日本人のせいなのかも知れないけれど、聴いていてまずはおもしろい。この曲だって、シリアスで直球勝負で、じつにマジメに書いているところが何とも気持ちがよいではないか。じつのところ、そんなに底が浅いとは思えないのだけれど。

林光交響曲第二番「さまざまな歌」(1985)で、ピアノ高橋悠治、指揮は尾高忠明、東京フィルハーモニー交響楽団。何だかまとまりがない曲だが、これもおもしろい。終楽章ショスタコーヴィチ風、不思議な感じ。ホント、日本人作曲家おもしろすぎる。てな風に日本人作曲家ってひと括りにしてはいけないのかも知れないが、どこか共通おもしろさがあるような気がする。でも、まだわからない。それから、高橋悠治ピアノ世界レヴェル。

モーツァルトピアノ四重奏曲第二番 K.493 で、演奏クリスティアン・ツァハリアス、フランク・ペーター・ツィンマーマン他。好演。

フランクの交響曲ニ短調で、指揮はクルト・マズア。うーん、マズアはまだよくわからないのだが、相当の人であることはわかった。ただこの曲、ここで聴かれるよりもっと深いと思うのだけれど。ニューヨーク・フィルは全然すごいとは思わない。

足立巻一『やちまた(上)』読了。読み出したら惹き込まれて、昼から夜中近くまで読んでいた。愛読するブログで教えられた本である。著者のことは何も知らないが、こんな本があったのだな。本居宣長の息子春庭の「伝記」であるのだが、ただの伝記ではない。著者は学生のときに春庭に文字通り取り憑かれ、膨大な年月をかけてその生涯を追求する様が、著者の自伝としても活写されているのだ。本居春庭は若くして視力を失ったが、父宣長の学を受け継ぎ、日本語文法の解明に画期的な一段階をもたらした学者である。そのことは本書を読んで初めて知った。本書では若い著者が春庭を延々と追っていく様子が生き生きと語られ、伝記であると同時にまたすぐれた文学にもなっている。とにかくおもしろい。続けて下巻も読む。

近年どうしようもない文庫レーベルに落魄している中公文庫であるが、本書はかつての中公文庫にふさわしいような本である。もう一度いうが、こんな本があったのだな。(PM23:44)

ようやくウチの梅が咲き出した。ウチのはじつに遅い。もう桜が咲くと言っているのに。

散歩していて見かけたスイセン

mathnbmathnb 2017/03/21 00:30 中心 が 原点でない (3, -2) で 半径1の易しい 円 c;(x-3)^2+(y-(-2))^2=1^2
上に 正7角形A=(4,-2)BCDEFG を 配置する。

(1)易しい筈の三角形 BAD の面積を 先ず 頂点の座標を求め, 求めて下さい;
【 bad は「悪い」の意,,,】
B=( , ) D=( , )


(2) 易しい c の 双対曲線 c^★ は 想定内の2次曲線で 双曲線であることを示して下さい;

(3) 双対曲線 c^★ は 漸近線を有する 双曲線である。漸近線を求めて下さい;

(4) この双曲線 c^★ 上の 整数解を 導出過程を明記し 全て求めて下さい;


[[ 今回は (4)がメインですが (1) KARA(3) まで容易すぎな問に見えるでせう ]]

(4) は 今まで幾度も 飯高先生にも 教えを乞うた 型の 格子点の問題です......

2017-03-19

こともなし

| 10:04 | こともなしを含むブックマーク

日曜日。晴。
朝から花粉で目がかゆい。

モーツァルトピアノソナタ第十四番 K.457 で、ピアノはグリゴリー・ソコロフ。ソコロフにしてはいまひとつの感じ。第一楽章では指が回っていないし、第二楽章は思ったより平凡。終楽章モーツァルトの書いていない音符をたくさん勝手に付けている。そもそもこの曲はモーツァルトにしては hard edge な曲なのだが、ソコロフはふわっと弾いているのだよね。自分としてはちょっと違和感がある。

ベートーヴェン弦楽四重奏曲第六番 op.18-6 で、演奏は Gioviale Quartet。初めて聴くカルテットで、アジア系若者たちのようだ。いいところは技術的に問題のない点で、かなりレヴェルが高い。問題は、これがまだ音楽になっていないことで、ただ楽譜を正確に音にしてみましたというだけのことである。僕は機械にように演奏するおもしろさというのもあると思うのだが、それほどでもなくて、ただ退屈なのであった。けれども、演奏が終ったあと聴衆は結構反応しているので、自分の耳がおかしいのかも知れない。僕としては、彼ら彼女らにはもっと勉強することがたくさんあると思いました。

PC遊び。

夕方、図書館。このところあんまり読めないのに、こんなに借りてきてどうするというくらい借りてきた。市の図書館は 30冊まで借りられるのだよね。どうしてそんなに多いのだろうな。そういや絵本とかたくさん借りていく人がいるか。

mathnbmathnb 2017/03/19 19:25 下 は 既に 充分過ぎるほど 美しい 対称式 で あるが ;

f(x,y)=4*x^3-3*x^2*y^2-6*x*y+4*y^3+1

「変身願望」 が ある らしく X=x+y,Y=x*y の 多項式 F(X,Y)∈Q[X,Y] で 表現願います;


             変身願望   叶える論文    在り ; 
                 
>1762年にウェアリングは、対称式に現れる単項式の指数の組に、辞書式順序を入れて、
    >単項式の次数を下げていく方法で、対称式の基本定理の証明を行った
      
 流行の AV ;F(X,Y)=0 上の 整数解 を 全て求めて下さい;
     
      

AV ; f(x,y)=0 (Affine Variety) の 双対曲線 f^★(x,y)=0 を 求めて下さい;


獲た f^★(x,y) は 既に 充分過ぎるほど 美しい 対称式 で あるが;

   X,Y の 多項式  表現願います; P(X,Y)=_______________________.

mathnbmathnb 2017/03/20 01:28 金正男(キムジョンナム)氏が殺害された  __日前

  GAI 様より 「訓練 鍛錬...」 なる 指令が 下された ;

計算訓練 投稿者:GAI 投稿日:2017年 2月15日(水)09時47分31秒

関数y=f(x)上に異なる3点A,B,Cがあるとき、△ABCの外心の座標を
次のf(x)に対してそれぞれ求めると何になるか?
ただしA,B,Cのx座標をそれぞれa,b,cとする。
(1)f(x)=x^2
http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/020/691/47/N000/000/006/148713648646488868179.gif

黒枠内に 外心の座標を 既に 記しました。
 -----------------------------------------

此の訓練は 後世の学徒の為に 同じ苦労を味わせたく ない 為の 指令なのでせうか?

      ---------------- 以上 再掲 ----------------------


       次元を ひとつあげ

(2011、京大理系) 空間内の4点ABCDは、同一平面上にないとする。
このとき、ABCDを通る球面が存在することを示せ。とのこと.

     これは 基本事項。 具体例 で 容易に ;

http://physmath.main.jp/src/sphere-four-points.html


この 存在した S; (x-2)^2+(y-1)^2+(z+3)^2=6 に ついて;

(1) S上の 流行の 整数解をすべて求めてください(容易) ;


(2) S の 双対曲面 S^★ を

「S^★ も また2次曲面であることは 自明である」 と 云うだけ番長に お終らず

             多様な発想で 是非求めて下さい;

発想イ

発想ロ

発想ハ

発想二

.




(3) 獲た 双対曲面 S^★ の 「君の名は」;_________。

   (<---- 主軸問題を 丁寧に解き 名を 明かして 下さい)

(4) S^★上の 流行の 整数解をすべて 導出法を明記 し 求めてください;

    [<----- 此処が メインです]

2017-03-18

中沢新一&小澤實『俳句の海に潜る』

| 09:44 | 中沢新一&小澤實『俳句の海に潜る』を含むブックマーク

晴。

モーツァルトピアノソナタ ヘ長調 K.533 で、ピアノスヴャトスラフ・リヒテル。この曲はふつう K.533 と K.494 を合わせてひとつのソナタとして演奏する慣例だが、リヒテルは K.533 の方だけ弾いている。じつは第三楽章として弾かれる K.494 が聴きたかったのだが、残念。なんともリヒテルらしいな。しかし、演奏は(録音の悪さにもかかわらず)すばらしい。僕はリヒテルクラシックを聴かない人も聴いた方がいいと思うのだが、どうも余計なお世話ですよね。

ブラームスチェロソナタ第一op.38 で、演奏はジャックリーヌ・デュ・プレとダニエル・バレンボイム

モーツァルトピアノ三重奏曲ト長調 K.496 で、演奏クララトリオクララトリオは先日すばらしいシューマンYou Tube で聴いて知ったのだが、このモーツァルトもまたすばらしい。感嘆させられる。射程がすごく広くて勉強にもなるし。これがいまどきのいい演奏家なのだ。

リヒャルト・シュトラウスの「最後の四つの歌」(歌詞)で、歌手エリーザベト・シュヴァルツコップ、指揮はジョージ・セル。甘美で骨まで蕩けてしまいそうな演奏だ。ほとんどメロドラマに近いような曲だが、やはり名曲中の名曲だろう。それにしてもリヒャルト・シュトラウスというのは変な作曲家だな。

昼から仕事

中沢新一&小澤實『俳句の海に潜る』読了。まあ何という本であろうか。僕は俳句については殆ど何も知らないが、母が長らく俳句をやっているので、門前の小僧くらいのことはある。それにしても、俳句古代精神に繋がっていくものであり、都会的で洗練された和歌とはまったくちがうものであるというのは、じつにおもしろかった。中沢さんにいわせると和歌短歌)はもうダメであるようだが、俳句生命はまだ尽きていないというのもおもしろい。それで思うのが、日本以外において「短歌」にはまったく生命力がないが、俳句精神外国人を強く惹きつけているという事実である。本書では俳句の「アニミズム」が主題のひとつで、それもその俳句アニミズムは深い底をもっているということだ。根源的な「モノ」性であると言ってもいい。そして、自然と、世界と薄い皮膜を通してコレスポンダンスしているということ。いや、言われてみればそのとおりで、まさに目からウロコが落ちたような気にさせられる。
 それにしても中沢さん、どうして本をちっとも出さないのか。あんまり出さないので、本書の出版にもいまごろようやく気がついた。単行本未収録の分量は相当にある筈なのに、中沢さんにその気がないのか。それとも売れないからか。自分も含めてニセモノばかりの世の中で、中沢さんはきわめて稀な本物なのに。いまや「本物」とか言うとたぶんバカにされますよね。言わない約束(?)なのだが、さてもひどい時代になったものである。

俳句の海に潜る

俳句の海に潜る

本書で中沢さんがちょろっと、いまの地方は大変なことになっている、地霊が生き残れるかの瀬戸際で、ニセモノがいっぱい出てくるだろうと仰っていたのが強く印象に残った。自分もまた地方のニセモノであるが、何とか本物が出てくる手助けになれるといいのだが。せめて邪魔はしたくないものだ。

小澤實さんについては何も書かなかったが、それは自分俳句を知らないからで、こんな人がいたのかと思った。心にとめておきたい人になりました。

山形浩生さんのブログの「アマゾン救済」を引き続き読んだが、高校時代にボルンの本で相対論勉強して、ローレンツ収縮より先に進めなかった苦い思い出があると書いておられて、そりゃボルンなんか使うからいけないと思った。あれは大学物理を学ぶ人向けで、決してやさしい本ではない。特殊相対性理論さわりだけだったらもっとわかりやすい本があって、山形さんが挙げておられた本(僕は未読)のように高校数学で充分理解できる。もちろんいまの山形さんがローレンツ収縮くらいが理解できない筈はないので、高校時代勉強したというのがさすがというべきか。もちろん特殊相対性理論でも大学院レヴェルの問題はいくらでもあるし、一般相対性理論になるとさすがに大学レヴェルの数学ができないと無理だけれども。

双曲線上の格子点

| 00:23 | 双曲線上の格子点を含むブックマーク

双曲線
  
整数解を求めよ。

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SHADESHADE 2017/03/19 04:51 中沢さん現代思想3月号増刊の人類学の時代という号に載っていましたよー。(読書遅すぎてまだ長らく積読(´・ω・`))

obelisk2obelisk2 2017/03/19 09:11 そうですか。ありがとうございます。雑誌ではときどき見かけるのですが、僕みたいなファンは中沢さんの単行本を待ち望んでいるのですねー。そのうち単行本になるだろうと思って買っていない雑誌等がこれまでにも多いので。でも、中沢さんについてこのところ全然ネットでも言及をみかけないので、本を出しても売れないのかなあ。

2017-03-17

Chrome Extension 遊び

| 02:46 | Chrome Extension 遊びを含むブックマーク

晴。

午後、出来上がった眼鏡を取りに行く。

ずっと Chrome Extension を作って遊んでいました。

mathnbmathnb 2017/03/18 18:32
              2円 の 共通外接線と内接線
              
国の 内 外 に於いて「external common tangent , internal common tangent 」を
       語る 人々が 存在し WEB 上に 量産し続ける...... ;
       
 https://www.youtube.com/watch?v=z-YxfG42P2M

http://www.mathopenref.com/consttangentsint.html

http://hg.hatenablog.jp/entry/2016/02/08/210906


    2楕円の共通外接線と内接線 をも 考えないでは イラレナイでせう;

http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/020/691/47/N000/000/006/148981053632854966180.gif

右↑の 赤楕円 達: 5 x^2 - 6 x y + 42 x + 2 y^2 - 26 y + 88 = 0 ,
(26 x^2)/841 + (22 x y)/841 + (62 x)/841 + (37 y^2)/841 + (1126 y)/841 + 6021/841 = 0

     に ついて 次の発想で  共通外接線と内接線 を 求めて 下さい;

(1) c ; 1/841 (5 x^2-6 x y+42 x+2 y^2-26 y+88) (26 x^2+22 x y+62 x+37 y^2+1126 y+6021)=0

の 双対曲線 c^★ を 是非 多様な発想で 求めて 下さい;


(2) 双対曲線 c^★ の 特異点 達 を 求めて下さい;


(3) 獲た 各特異点 P[j]  に 対応する c の 接線 T[j] を 求め

   c と 共に 図示願います;
  
  
  
http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/020/691/47/N000/000/006/148981053632854966180.gif
  
     ●●●XJAPAN が 描いた 右↑の 図が 獲られた ことで で せう。
   ---------------------------------------------------------------------
   
        【下の  切実な願いに 是非 応えて 下さい!^(2017)】 ;
                  
(4) 双対曲線 c^★ 上の 整数解を 導出法を明記し 全て 求めて ください;


<飯高先生にも 同様な お願いを 幾度も 致しました....>
< 今回 こそ と 伏して お願い申し上げます >


https://www.youtube.com/watch?v=GuHIw_16ZIA

>探しものは何ですか? <--------- 「整数解達です」
>見つけにくいものですか? <-------「ハイ とても...」

>カバンの中も つくえの中も探したけれど見つからないのに まだまだ探す気ですか?

● 易しい双曲線上 の 格子点問題は 卒業 されましたか ?^(2017)

2017-03-16

赤川学『これが答えだ! 少子化問題』/『ヴァルザーの詩と小品』/四方田犬彦『クリティック』

| 11:14 | 赤川学『これが答えだ! 少子化問題』/『ヴァルザーの詩と小品』/四方田犬彦『クリティック』を含むブックマーク

晴。

大垣。厚着をしていると車の中は暑いくらい。ミスタードーナツ大垣ショップ

赤川学『これが答えだ! 少子化問題読了。これはおもしろかった。著者は12年前に『子供が減って何が悪いか!』という新書を出しているそうであり、本書はその続編ということになるようだ。本書も前著もキャッチー題名であり、またその題名からあまりよいニュアンスを感じ取られない方もいるであろう。僕は前著は読んでいないが、本書では非常に考え抜かれた議論が展開してあり、まさしく少子化問題に関する新書の決定版になるかもしれない。まあそれはわからないが、とにかく本書の結論を無理矢理一行で言ってみよう。いわく、「日本少子化は、それに積極的に取り組む限り、止めることはできない」である(笑)。それはどういうことなのか、対策を立てねば止められないだろうと、まあふつうそう思うよね。これだけ知ってもらってあとは本書を読むのがいちばんいいのだが、そして議論はなかなかむずかしいのだが、簡単に書いておこう。まず、事実として、金持ち貧乏人も「子沢山」である。つまり社会二極化すれば子供は増えるのであり、それは典型的にはアメリカである。一方で、中間層社会的に上昇志向的であるため、その結果として出産抑制する傾向にある。これが典型的なのが日本なのだ。そして、現在の少子化対策中間層生活水準を上げようとするものであり、これはさらに出産抑制につながるということになる。これらは本書で様々のデータによって論証されていていて、否定することはなかなかむずかしいようだ。
 実際に色いろなデータが出ている。例えば女性が働きやすくなれば子供は増えるか。データからは否と出ている。男性が育児を手伝えば子供は増えるか。これも否である。総じて、中間層生活水準の向上によって出生率は低くなるのが事実である。一般的にいって、少子化は「子供が育てにくい」せいで起きているのではない。端的に、結婚したくても結婚できない人(特に男性に該当する)が増えたために、子供が減っているというのが事実である。さらに本書で恐ろしい事実証明されている。結婚したい男性が結婚できなくなっている理由は、女性結婚相手として、自分より社会的経済的に上のクラスの男性を選ぶ傾向(ハイパガミー)が強くなっているからだというのだ。これを聞いて皆さんはどう思われるか知らないが、僕は「今頃そんなことがわかったと言っているのか」という風に感じた。何をいまさらというものである。女性のハイパガミーは現代日本に限られたものではないが、現代日本でそれがきわめて強くなっているのは自分の実感に合致する。もちろんこれに納得しない方もおられるだろうから、そういう方は実際に研究されるとよいと思う。どのような事実がわかろうが有用であろうから。
 とにかく少子化を食い止めたければ、アメリカ的に中間層を壊滅(?)させればよいようだ。しかし、そういう社会が住みやすいかはまた別である。著者は、少子化は防ぐことはできず、それを前提として社会設計すべきであるという。せめて、無駄な税金の投入は防ぐべきであると。実際、少子化対策が実行されてきていても、事態はまったく改善せず、むしろ悪化しているという事実無視しようがない。まだ効果が上がっていないのだ、そのうち効いてくるということもないとはいえないので、ある程度経っての検証が必要であろう。といっても、本書はその検証でもあるのだが。それくらいに、少子化対策が立てられてきたのは最近のことではないのだが、実効していないのだ。
 しかし思うが、理想的相手でなければ、いや、自分より上か最低でも同じランク相手でなければ、女の子たちは結婚したくないのだ。これはまちがいなくそうである。それは別にいけないことはないので、子供が減っても仕方がないではないか。我々はそれを選んだのだ。

なお、日本フランスのようにすればよいとか、北欧を手本になどの議論が盛んに行われていて、そういう議論を正しく行うための考察が本書にあって有用だ。それから、出生率問題は国という単位だけではなかなか尽くせず、いわゆる「都会と地方」の問題も大きいことを付記しておこう。またさらに、少子化問題は「結婚とは、人生とは何か」という大きな問題にまでリンクしている。むずかしいわけだ。

それにしても、「生活期待水準」という概念おもしろい。それはわれわれがどういう「豊かさのレヴェル」の生活を望むのかということで、それは時代によって大きく変動するし、またそれは他人生活期待水準によっても(「見栄」などにより)変化するという複雑なものである。そして、一度生活のレヴェルを上げてしまえば、元の(低い)水準に戻すことは非常にむずかしいのだ。自分子供たちのランクの向上によって自分たちのランクも上昇するという通念もあり、中流階層子供の数を制限してリソース有効活用しようとする。そのあたりが、少子化問題に強く効いてくるわけだが、それはまさしくいまどきの「人生観」そのものではないか。なるほどと思わせられる。

山形浩生さんのブログの最近の「アマゾン救済」の一連の投稿、すごいな。「アマゾン救済」ってのはアマゾンのレヴューでリジェクトされたものをここに載せているということだろうが、山形さんは知識人であるのに気楽に実名アマゾンのレヴューを書かれる方で、またそれが最高レヴェルの出来なのだからさすが。それはここで見られるとおりである。僕は山形さんはじつはあまり好きではない、というかレヴェルがちがいすぎて近寄りがたいし、立派過ぎて苦手なのである。でも、こういう人こそエリートというべきで、しかも貧乏人や弱者のことまできちんと考えてくれる、口先だけでないエリートなのだ。僕は山形さんの嫌いな中沢さんや浅田さんみたいな人が好きなので、山形さん的にはお話にならないタイプの人間ではあるが、真に人のためになることをし、そしてそれでダメにならないという人を、リスペクトしないわけにはいかない。ま、若い人たちはそういうことによく気づいていますけれどね。

図書館から借りてきた、『ヴァルザーの詩と小品』読了。飯吉光夫編訳。下らなくて甘ったれた本。もちろん文学など下らなくて甘ったれていてかまわないものなので、一向に問題はない。しかし、これって「大人の本棚」なの?

ヴァルザーの詩と小品 (大人の本棚)

ヴァルザーの詩と小品 (大人の本棚)

図書館から借りてきた、四方田犬彦『クリティック』読了。著者30歳のときの本だという。1984年刊行。いまとなっては殆ど無意味な本をいまさら読んだことになったが、思えば自分はこういう本を大量に読んできたものだ。読んでいて自分の過去と出会った気がした。いまの若い人が読んだら嫌悪するだろうし、それは正しい。四方田犬彦はそのかしこさをじつに無駄に使ったと思うが、まあよいではないか。それにしても、いまやかかる本を恥ずかしさを感じずに読めるようになったとは、老人化したか。このような本がいまだに図書館開架にあるとは、驚きである。無意味なものを発掘した考古学者の気分である。

クリティック (冬樹社ライブラリー)

クリティック (冬樹社ライブラリー)

2017-03-15

こともなし

| 08:40 | こともなしを含むブックマーク

晴。

花粉が飛びまくっている山の中を歩いたので、花粉症がひどい。目がしょぼしょぼする。

ベートーヴェン弦楽四重奏曲第一op.18-1 で、演奏Ariel Quartet。2014/1/23 Live. このカルテットはまったく知らないが、なかなかの好演である。特に終楽章は気分が乗っている感じでよかった。

シューマンピアノ三重奏曲第一op.63 で、演奏クララトリオ。すばらしい演奏で、聴いていて賛嘆しきりだった。僕は CD化できる(すべき)レヴェルだと思う。勉強にもなったし。このクララトリオというのはまったく初耳だが、若い女性ばかり三人のトリオだ。若い人が自分を超えているのを目の当たりにするのは、じつに気持ちがよいものである。まだまだ若い人たちも捨てたものではない。

ドビュッシーの二つのアラベスク演奏者は不明。この曲は素人の演奏を聴かされすぎて何がいい演奏なのかわからなくなってしまうというそれであるが、そんな曲でもさすがにドビュッシーで、おしゃれである。僕はシャレオツは苦手なのだけれど、ドビュッシーがおしゃれだというなら納得するね。

昼からネッツトヨタで定期点検。待っている間はプログラミング本を読んでいたのだが、点けてあるテレビから昼の(政治的ワイドショーを聞くともなしに聞いていた。というか聞こえてきた。それにしても、政治家もひどいが、ワイドショーのあの番組作りは何だろう。見るに耐えないヒドい番組で、ウンザリさせられた。知っている人にはまああんなものなのだろうが、政治家以上にどうでもいい奴らである。あれはこちらをアホにさせる深謀遠慮なのだろうか。あれで我々を低能化させて、何が楽しいのだろう。まったく、我々がカスである筈である。

カルコスに寄る。

『入門 OCaml』の第三章まで読んだ。まだ関数型言語はよくわからない。例えば先日の「孤独の7」などは、どうやって OCaml で解いたらよいか。なおこの本、あとの方で解説してある概念説明されずに出てくるところが少なくないので、注意。

2017-03-14

播州家族旅行(第二日)

| 22:29 | 播州家族旅行(第二日)を含むブックマーク

天気は悪くなさそう。いつもよりはのんびり目に宿を出て、書写山円教寺へ。ここは天台宗古刹であり、比叡山に似て山の中に広大な伽藍が点在している。まずはロープウェイ(結構な料金である)で一気に上る。そこから山の中をうねうねと歩く歩く。仁王門から摩尼殿へ。途中で変った鳥を見かける。摩尼殿はまあ清水寺舞台のようなものというか、なかなか立派だ。お参りをして、大講堂・食堂・常行堂の三つの堂がまとめてある場所へ。これも大変に立派な建物である。ただこの円教寺、お坊さんの姿を殆ど見かけない。ここは修行の場ではないのか。それでは何なのであろう。ロープウェイ乗り場まで戻る途中、また色いろな鳥を見かける。これはなかなか愉快だ。植生も照葉樹林で、我々の家のあたりとはちがっておもしろい。全体で 2時間くらい歩いたであろうか。また車に乗り、姫路駅前でレンタカーを乗り捨てる。「乗り捨てる」というのは、出発地とちがう店舗に車を返すということで、同じ県内なら無料のことが多い。

JR姫路駅から新快速に乗り、明石途中下車駅前の「松竹」でお昼ごはんに明石焼きを食する。薄味のたこ焼きを熱いつゆにひたして食べるという B級グルメで、なかなかうまい。つゆも薄味なのだけれど、15個食べるうちに満たされてくる感じで、もうビールが飲みたくなって困った。
 明石焼きのあとは、駅前にある明石城跡へ行ってみる。僕は明石城というのはまったく知らなかったのだが、とても大きな城で驚いた。石垣のすごさを堪能できるレヴェルである。江戸時代になってから築城されたようで、あまり知られていないようなのはそのせいかも知れない。しかし、広大な敷地を歩いたらかなり疲れた。本当は明石市天文科学館へも行ってみたかったのだが、残念ながら今日は休館日。もちろん御存知と思うが、明石市こそ日本標準時を決定する場所(ちょうど東経135°に存在する)なのである。駅の上空を多数のトンビが旋回していた。海に近いものね。

駅ビルで鯛焼きとドリンクを買い込み、明石発14:21で行きの逆を帰る。区間によっては座れないことを覚悟していたが、たまたま座れたので楽だった。帰り見た近江長岡JR東海道本線)あたりの伊吹山が堂々としてすばらしかった。何となく誇らしいような気になった。

今回は何故かよく鳥に出会った。写真を二枚だけ上げておこう。

mathnbmathnb 2017/03/15 19:28 https://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%AB%E3%83%AA%E3%83%93%E3%82%BF%E3%82%AD&hl=ja&rlz=1T4GGNI_ja___JP534&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwjrtqCdptjSAhWJo5QKHaxyDXkQ_AUICCgB&biw=1097&bih=438&dpr=1.75

2017-03-13

播州家族旅行(第一日)

| 21:47 | 播州家族旅行(第一日)を含むブックマーク

暖かくなってきたので、いつものごとく家族旅行である。このところ車を使うことが多く、列車旅行していなかったのであるが、今回は「18切符」で久しぶりに列車を使った。JR高山本線那加駅から、岐阜駅東海道本線へ、米原JR西日本新快速に乗り、京都大阪神戸と通過して、加古川まで 3時間くらい。加古川11:08着。何だか JR西日本新快速の車内温度が低すぎた。寒いではないか。何を考えているのだろう。

上は JR加古川駅前駅前商店街にある「いろはーず」で、地元B級グルメという「かつめし」を食する。ビーフカツに甘めのデミグラスソースのようなものがかかっている料理で、なかなかおいしかった。で、駅前トヨタレンタカーで予約しておいたレンタカーを借り、海の方へ。「播磨法隆寺」ともいわれる鶴林寺を訪ねる。本堂と太子堂国宝で、また宝物館には国宝でもおかしくない立派な白鳳仏があった。宝物館には年配のガイドの人がいて、滔々とお話される。たぶんボランティアで、最近はどこでもこういうガイドの人がいることが多くなった。

浄土寺へ。重源上人の建立とされ、浄土堂には快慶作の国宝阿弥陀三尊像がある。これはとても見事なもので、今回の旅行のメインだった。阿弥陀如来は 5m以上の高さで、奥から西日が入り、日没時には荘厳な西方浄土世界が現出するという仕掛けになっている。我々が訪れたのはもちろんそんな遅い時刻ではなかったが、それでもその有様は充分推測できるものであった。この場所はアクセスが悪く、なかなか行くのは大変であるが、それだけのことはあると思う。なお、我々が訪れたときも参拝客は他におらず、やはりアクセスの悪さのせいなのかなと思われた。ここだけでなく、今回の播磨旅行では、シーズン中にもかかわらず、全体的に観光客が少なかったようである。

一乗寺へ。なかなか大きな寺で、三重塔が国宝。どっしりした三重塔である。どうでもいいが、受付のところで飼われているネコがいた。

宿はゆめさき温泉の「夢乃井」というところ。かなり安いプランだった(贅沢はできない)ので食事等まったく期待していなかったのだが、部屋もサービス食事も我々には充分よろしかった。こう言っては何だが、相当の田舎なので、意外でした。まあ知っている人は知っているのであろう、宿泊客の数はじつに多かった。残念だったのは Wi-Fi が使えなかったことくらいだが、旅行中くらいネット環境から切り離されていてもいい。

by obelisk 2009-2017.