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2016-07-24

『PRANK! Vol.3 Side-A 水島精二評論集/Side-B 水島努評論集』への寄稿

羽海野渉(@WataruUmino)さんの『PRANK! Vol.3 Side-A 水島精二評論集/Side-B 水島努評論集』SHIROBAKOについて書かせていただきました。

【C90新刊】PRANK! Vol.3 Side-A 水島精二評論集/Side-B 水島努評論集 刊行! - 惑星ノート

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LandScape plusの夏コミ新刊(8月14日・三日目東のポ‐13b)です。(税込:各800円)
寄稿した文章は水島努の『SHIROBAKO』なので、僕のは『Side-B 水島努評論集』(写真・右側)に載ります。

簡単にどんな文章書いたかというと「『SHIROBAKO』が描く「夢」と「現実」について」というタイトルで、ブログで何度か『SHIROBAKO』の各話記事を書いていましたが、それの総論的なものになっています。お仕事アニメといわれる『SHIROBAKO』が何を伝えたかったのか?ということを僕なりの解釈で書いております。(約6,000字)

実はもともと『SHIROBAKO』総論に関してはブログで各話感想やっていたころから「最終回を見たら総論書こうー」って考えていたのです。しかし時間というものは残酷で気づいてみたら丸々1年以上経ってしまっていました。そんなときに副編集長の群馬さんに声をかけていただき、もう一回向き合うチャンスかなと書かせていただくことにしました。真夏のあつ〜い時期ですが、近くまで来られたらお手に取っていただけると幸いです。

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余談ですが、これ書いているときに「なんで七福神だったんだろう」なんて思っていて、それも面白そうだったんですが、民俗学の領分でちょっと調査するのも大変だなーと思いやめました。確か武蔵野アニメーションの舞台になった武蔵野市では七福神周りのイベントを開催していたりするので、そんな背景もあるのかなーなんて思ったりもするんですが、ちょっと想像の域をでなさそうなので。まあ、でその辺はちょっと調べようかなーなんて思うのでもしかしたらブログで書くかもしれません。

2016-07-13

ジェームズ・ワン『死霊館 エンフィールド事件』を見た(雑感)。

死霊館』より早3年、待望のシリーズ最新作『死霊館 エンフィールド事件』を見た。簡単なメモ書きのような雑感です。

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映画の冒頭、ウォーレン夫妻は悪魔払いの調査中のようだ。幽体離脱をしたかのように自分の身体を横目にロレインは、家の中で寝ている家族の前に立ち何やらショットガンを撃つような動作を真似して見せる。そうするとたちまち寝ていた家族たちが撃たれたかのように身体が血だらけになる。彼女が鏡の前を通ったとき、ロレインではなく男の姿が映し出される。どうやらその男はその事件の犯人のようだ。彼女は犯人に「仮装」することで事件を再現して見せていたということがわかる。そして、彼女の実体がうなされるなか、夫はもうやめろと忠告するが、それを無視しさらに何者かに深淵に案内される。深淵を覗いてしまったロレインは夫の危険を察知し休業しようと話す。しかし遠く離れたイギリスでは、新たな事件が始まっていた…。

心霊映画においては心霊現象が始まる(ホラー映画のシステムに飲み込まれる)瞬間というものは、印象的に、まるでシステムに捕捉されてしまったかのように表現されるものと考えている。例えば『貞子vs伽椰子』における現象の始まりは、「リング(貞子)=ビデオを見ること」、「呪怨(伽椰子)=家に入ること」、と境界線を越えた瞬間が目で見てすぐわかるように表現されている。まるでそれは『ドラクエ5』におけるゲマ戦のように、最後に必ずゲマのメラゾーマで殺されるパパスと同様に決まった運命をたどるだけだ。『死霊館 エンフィールド事件』(以後、『死霊館2』と記す)では娘が煙草を吸っていたと学校からクレームを入れられたり、息子がいじめられていたり、娘たちがこっくりさんのような遊びをしていたり…と、キッカケになりそうなものは散りばめられている。しかし、いくらカメラが縦横無尽に動き回り人物を撮り続けていても、『死霊館2』では確証たるキッカケを撮ることをしていない。現象が始まり、ウォーレン夫妻が調査を初めてからも、確たる始まりのキッカケや心霊現象がつかめないのである。映画を見始めて何十分かはどうもそんな基本的な「始まり」のなさに『死霊館2』大丈夫かな?と心配をしていた。そこで今回は、その確たるキッカケや証拠が掴みづらい『死霊館2』は一体なんだったのだろうかと考えてみた。

(以下、ネタバレが含まれます)

  • イカサマ

死霊館2』ではウォーレン夫妻が調査を開始し、実際に現象が始まっても「心霊を感じない」とロレインが語るシーンがある。たが「子供たちのことは信じる」と彼女は調査を続ける。彼女たちはあくまで調査に来ており協会に対して悪魔祓いをさせる確たる証拠をつかまなければならない。期限は3日間と短い期間である。そんな境遇のなか霊に憑りつかれていたはずの少女が、カメラの前で自ら憑りつかれていることを演出しているシーンが記録されてしまい調査は断念せざるを得ない状況となる。しかしそれは悪魔に欺かれていたと後々わかることになる。『死霊館2』では、起きている現象のほとんどが本来の目的を隠すためのパフォーマンスとして使われており、常に周りの人間を欺くことに徹している。また、それは『死霊館』での事件を経てたウォーレン夫妻のおかかれた事態とも共通項がある。

ウォーレン夫妻は前作『死霊館』の事件以後、テレビなどに出演し世間からの注目を集めていたが、同時に「イカサマだ!」と揶揄されることが多くなっていた。学者が口を開けば「立証されている。あなたは世間をだましているんだ。」といい、ウォーレン夫妻の言葉には一切耳を貸さない。そういった背景から彼らは世間を“欺いている”ように思う人が出てきてもおかしくない。こういったように夫妻の存在自身が批評性を帯びることで、深層下でアメリカとロンドンがつながっている。それはまたロレインが見た夢にもつながってくる。ロレインはロンドン調査前の段階で、夫が死ぬ夢を見ている。その夢を見る前に夫も悪魔の夢を見ており、悪魔の絵を描いていた。悪魔は夫妻に調査をさせないように警告するため、遠く離れた大陸の深層にまで現れていたのだが、結果的にはそれがあだとなり敗北することになる。ウォーレン夫妻の深層に現れる事態が始まりの「キッカケ」だったのだ。

  • 悪魔

前項で「イカサマ」について触れたが、悪魔が仕掛けるイカサマのなかの1つに身体を乗っ取る行為がある。序文でロレインの見る一家の悲劇の一部始終を書いたが、あそこでロレインは犯人に「仮装」することで何が起きているかを体現して見せた。そして悪魔もまた「娘」の身体を前住人に乗っ取らせることで「仮装」することに成功している。互いに身体を自分ではない何者かになりえることで別の人物を表象させた。また、悪魔の存在を示す逆十字架の演出も示唆的で、明確に悪魔がここにいるぞと、ゾクっとするような演出で面白かったと思う。地下の水たまりでの悪魔との対峙寸前のシーンについても、前住民の「入れ歯」によって悪魔が存在を隠すことで仮装をすることができていた。全体的な心霊現象は、視覚的に「厭」な空間を意図的に観客に見せることで、宙づり感を得られていた。ラストのドタバタシーンも心霊オンパレードで家を『エクソシスト』のように破壊してみたりカタルシス的にも見せ場が多数ありいい塩梅だったと思う。また、ロレインがはじめに悪魔と対峙するシーンや、ラストの名前を呼ぶシーンなどでの悪魔の存在感は、『エクソシスト3』級の最強感が感じられて好みだった。

  • 最後に

冒頭の無駄の多いカメラワークに「大丈夫かな?」と思ったりしたが、結果的にかなり楽しめた。『インシディアス』シリーズからも引き継がれているような回想シーンや、おもちゃ箱をひっくり返したような心霊現象のオンパレードに娯楽として楽しめたし、何より大好きな『エクソシスト3』っぽさをどこかで感じられたのもよかった。ただ、『インシディアス』シリーズも含め結構やることやってしまったと思うし、これからのジェームズワンが大作以外のホラー映画を撮ってくれるのか少し不安だったりも。

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2016-07-06

2016年上半期に行ったLIVE+雑感

記録していないと忘れてしまうので、淡々とライヴ鑑賞記録書きます。ちょっとした雑感付き。おそらく今年のライヴはじめは昨年末の坂本真綾のカウントダウンライヴの後半戦なんだろうけど、昨年書いてしまったのでそちらは省きます。上半期19本なかなかちょうどいい感じかなー。

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01.1月10日 THRASH DOMINATION 2016 神奈川・川崎クラブチッタ
出演:KREATOR/DESTRUCTION/DARK ANGE
雑感:ダークエンジェルが来るというので、これは見逃せないと。ダークエンジェルもよかったですが、デストラクションも最高でしたね。クリエーター(なのか、クリーター?)も久々に見ましたが、なかなか良かったと思います。ただ、長時間スラッシュは疲れますねー。

02.1月23日 CHAIN OF Hee-chung's SOUL 三重・四日市CLUB CHAOS
出演:at Anytime/AWAKED/DIE YOU BASTARD!/HYDROPHOBIA/PALM/SHADY GLIMPSE/Silver Lunch Truck/TERROR SQUAD/UNHOLY GRAVE/Unveil Raze/WATER/2side1BRAIN/naqro
雑感:UNHOLY GRAVE,naqro,SHADY GLIMPSEのドラマーHee-changの追悼イベント。Hee-chang不在のnaqroが初見だったのですが、めちゃくちゃかっこよかった。ベストアクト。いやあ、愛されるね。

03.2月6日 DEAD CHAIN vol.139 名古屋栄レッドドラゴン
出演:CROSS FACE/CHEERIO/sekien/LOWCARD de la morte/ACUTE/DIEAUDE
雑感:sekienがはるばる名古屋へやってくるということで久々にレッドドラゴンへ。いやーやっぱりかっこよかった。ACUTEもオブシンぶりだったけどこれぞハードコアパンクだって音で。

04.2月7日 HARD ROCK MATINEE VOL.3 お年玉GIG 2016 名古屋クアトロ
出演:the 原爆オナニーズ/BAREBONES/ETERNAL ELYSIUM/NEPENTHES/Crocodile Bambie/SLIP HEAD BUTT
雑感:上半期のベストイベント(アーティストとは別として)だったと思う。特にベストアクトはNEPENTHES。あんなにかっこいいマイクスタンドさばきは見たことなかったかもしれない。クアトロの広さもちょうどよかったし、音も最高。SLIP HEAD BUTTはエロかったし、BAREBONESもちょーさいこー。でもオナニーズが持って行ってた感じ。

05.2月13日 TRUE THRASH FEST 2016 大阪・江坂MUSE
出演:WHIPLASH/FRANK BLACKFIRE/TERREOR DOME/VINGADOR/RIVERGE/FASTKILL
雑感:今年はダークエンジェルにしろウィプラッシュにしろスラッシュ勢すごいですねー。まあ、ヴェノムはなかったことに…。ウィプラッシュ曲は当たり前でかっこよかったんだけど、現役勢のライヴには劣るなーといった感想。まあしり上がりによくなっていったけど。ベストアクトはTERRORDOMEかなー。初めて聴いたけど、息をつかせぬ勢いの前ノリのパフォーマンスにクロスオーヴァースラッシュのハードコア感がめちゃんこキマってた。あとFASTKILLはいつも僕らに夢を見せてくれますね。永遠のスラッシュ…

06.3月11日 GRIND FREAKS #82 -東日本大震災BENEFIT GIG- 名古屋・今池ハックフィン
出演:UNHOLY GRAVE/LETHALASH (Special REUNION)/CROCODILE BAMBIE/HIGH VOLTAGE KILLER (Special REUNION)/VIOLLANTE/RALM/SLUMBER SYNDROME
雑感:この日は平日だったので途中からの参戦。HIGH VOLTAGE KILLERが一夜限りの復活。ド直球のジャパコア〜ハードコアパンクでめちゃくちゃかっこよかった。帰りに無料(募金した人は)で配布していたディスコグラフィもゲット!音源もめちゃくちゃかっこよかったですね。また見たい。

07.3月12日 RETURN OF THE BACKDROP 名古屋・今池ハックフィン
出演:OUT OF TOUCH/DEMOLITION/S.O.B/SYSTEMATIC DEATH/BRAIN DEATH/PUNHALADA
雑感:アウトオブタッチのラストGIGでしたねー。SOBは相変わらず、ただ、この日布みたいなものが箱の天井にぶら下がってて邪魔すぎた。システマは17年ぶりの名古屋だとか(笑)今度はナパームデスですかねー。

08.3月20日 STORY CONTINUES VOL.3 三重・四日市VORTEX
出演:GREENMACHiNE/SKYMARS/SUMMER OF DEATH/ZAY
雑感:グリマシ目当てでしたが、全バンドかっこいい!びっくりした。サマーオブデスはクロスオーバースラッシュにパワーヴァイオレンスをぶち込んだようなサウンド。グリマシももちろん最高すぎたんだけど、企画者のZAY激やば。ちょっと激情というか聞かせるイントロから怒涛のドラミング、そしてバリバリのメタルクラスとに転換していく。めちゃんこかっこよかった。

09.4月3日 GRIND FREAKS #83 名古屋・今池ハックフィン
出演:UNHOLY GRAVE/CASBAH/S.H.I/VIGILANTE/DEMOLITION/ARGUMENT SOUL/Unveil Raze
雑感:本当にアンホーリーは毎回安定している。

10.4月6日 GRIND FREAKS #84 NOOTHGRUSH JAPAN TOUR 名古屋・今池ハックフィン
出演:NOOTHGRUSH/NEPENTHES/ETERNAL ELYSIUM/血ミドロ -ketsumidoro-/FUJIYAMA/SONIC DISORDER
雑感:3年ぶりの来日NOOTHGRUSH!COFFINSのTシャツ来てたら「こふぃんずこふぃんず」とVoに呪いのように唱えられた(笑)前来たとき一緒に回ってたし好きなんだなー。ライヴは無限のハンマー振り下ろし反復に次ぐ反復。首振りすぎて死ぬかと思った。

11.4月8日 PUTV TOUR Weekend nachos&Primitive man 大阪・心斎橋HOKAGE
出演:WEEKEND NACHOS/PRIMITIVE MAN/FIGHT IT OUT/PALM/BURNING SIGN/She luv it
雑感:ナチョスのラストツアーということでしたが、本当にこのバンド解散するのか?!ってくらいかっこいいショーでした。去年見たときよりさらにかっこよくなっているし、テンションも最後までヴァイオレンス。ああ本当に解散かよ…。プリミティブマンはひたすら反復地獄めぐりの旅。。。

12.4月10日 NANA MIZUKI LIVE GALAXY 2016 -GENESIS- 東京東京ドーム
出演:水樹奈々
雑感:まさに”フリースタイル”な水樹奈々!/水樹奈々:NANA MIZUKI LIVE GALAXY 2016 (GENESIS,FRONTIER) 東京ドーム 2DAYS レポ(セトリあり) - つぶやきの延長線上

13.4月11日 NANA MIZUKI LIVE GALAXY 2016 -FRONTIER- 東京東京ドーム
出演:水樹奈々
雑感:まさに”フリースタイル”な水樹奈々!/水樹奈々:NANA MIZUKI LIVE GALAXY 2016 (GENESIS,FRONTIER) 東京ドーム 2DAYS レポ(セトリあり) - つぶやきの延長線上

14.4月22日 Ralm presents "ENIGMA" vol.1- Khmer Japan tour - 名古屋・スタジオ246 NAGOYA
出演:Khmer/Ralm/Punhalada/Sonic Disorder/SWINGOUT
雑感:Ralmのおかげで名古屋にも来ることができたというスパニッシュネオクラストKhmer。多幸感ネオクラスト…素晴らしいショーでしたね。

15.4月23日 STUBBORN FATHER & SeeK presents "孔鴉-koua- 大阪・心斎橋HOKAE
出演:Khmer/Red Ran Amber/TRIKORONA/umberlite/ SeeK/STUBBORN FATHER
雑感:イベントでいえば今年ベスト級だったろうなー。激情シーンが垣間見えるようないいイベントですね。khmerも最高だったけど、久々に見たスタボンかっこよすぎて死ぬかと思った。この日ばかりはスタボンがベストアクトだったと思うよ。

16.5月4日 LongLegsLongArms presents."20year chaos" 東京・新大久保アースダム
出演:twolow / isolate / sekien / self deconstruction / stubborn father / super structure / swarrrm
雑感:khmerに引き続き3LA企画〜!今年飛ばしているね!いやあ、sekienが1st出してからの初ライヴを鑑賞できたわけですが、これがものすごい。1曲ごとの鬼気迫る緊張感は今年見てきたバンドの中でもダントツのナンバーワン。ラストの『六六六』のシンガロングには昇天。スーパーストラクチャーも楽しかったし、今年2nd出すセルコンも3人体制になって初見だったし、swarrrmも最高ね。スタボンは火影のときのほうが良かったかなーー。

17.5月7日 ETERNAL ELYSIUM「New Album 先行発売・ワンマンショウ」 名古屋・今池ハックフィン
出演:ETERNAL ELYSIUM
雑感:今年のベストアクトの一つだと思う。ワンマンといってもせいぜい1時間半だろ?と思ってたのが完全にやられた。2部制で約3時間演奏するんだもん。音も最高だったし、何より演者がすごく楽しそうだった。観客として今この現場に入れてよかったな、と本当に思えるいいショーだった。世界レベルだねやっぱ。

18.5月15日 GRIND BASTARDS 2016 名古屋・今池ハックフィン
出演:WAR MASTER (from U.S.A)/UNHOLY GRAVE/DISGUST/DIEDRO LOS DIABLOS/LITTLE BASTARDS/NICE VIEW/WOLFGANG JAPANTOUR/FORTITUDE/DORAID/ZAGIO EVHA DILEGJ/CLANDESTINED/TAINTED DICKMEN/ASOCIAL TERROR FABRICATION/VERTIGO/SELF DECONSTRUCTION/MURDIENA/PUNHALADA/CUDOA
雑感:恒例のグラインドバスターズ!今年はウォーマスタージャパンツアーと絡めてということで、グラインド、クラスト、グラインド、スラッシュ、ハードコア、パンクデスメタルというジャンルがまぜこぜになったすごいイベントだった。それが故疲れる!!(笑)とにかく楽しかったけど、DISGUSTのボーカルが女性に代わっていたのが一番ビビったよ!

19.6月26日 Guilty Forest & MOCHI presents Under The Surface Vol.2 東京・東高円寺 二万電圧
出演:COFFINS/IN FOR THE KILL/BOMBORI/The Rabies/Twolow
雑感:コフィンズを二年半ぶりに見れて大満足。遅いけど爆走するDビートの素晴らしき正さ……たまらん。

RESONANCE OF SHADOWS

RESONANCE OF SHADOWS

Apology

Apology

STARTING NOW!

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2016-06-29

現実と虚構の揺らぎ/森達也『FAKE』を見た(感想)。

森達也『FAKE』を見た。

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今年のドキュメンタリー映画は豊作で、既に『ヤクザと憲法』、『ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE in 台湾』などの傑作が公開されている。森達也の『FAKE』もそこに加えることが出来る傑作だ。

本作は2014年にゴーストライター事件でボロカスにされた佐村河内守に迫ったドキュメンタリー。普段あまりテレビを見ていないので「佐村河内守って誰だっけ?」とった距離感だったんだけど、それでも問題なくめちゃくちゃ面白かった。内情を知らない僕も楽しめたこの映画は、佐村河内守を擁護するように作られているわけでもなく、とにかく面白く撮れればいいといった思惑で作られているんじゃないだろうか、と思った。

この映画は殆ど、佐村河内守の家の中で撮影されているんだけど、佐村河内守自体が面白くてコメディ映画を見ているようだった。例えば、奥さんと食事をしているとき、なぜか食事に手を出さないで豆乳ばかり飲んでいる。そんな時に森達也が「何で食べないの?」と聞くと、「いや、豆乳大好きなんですよ!」と答えるもんだから、思わず爆笑。またある時は、「本当に聞こえないの?演奏できないの?」と聞かれると、「本当は撮って欲しくないけど…」と頬を叩いて演奏して見せる佐村河内守!これだけ聞いても実にチャーミングで面白い人だな〜といったように撮影されていて、佐村河内守を知らない人が見ても単純な面白さを感じられる。

そして肝心のタイトル『FAKE』であるが、「フィクションとドキュメンタリー」のちょうど真ん中の「これは一体どっちなの?」と思う瞬間が記録されている。年末の特番で出演させたいと、佐村河内守の家に訪問する共同テレビ(だったかな?)の連中が、佐村河内守にお願いしているときの何とも嘘っぽいコメディ調の人物模様。真剣になれば真剣になるほど、バカバカしい画面になる面白さ。「現実/虚構」の境界線の揺らぎが感じられるシーンだった。またその後、出演を断った佐村河内守がその特番を見ていると、新垣隆が我が物顔で出演しており、完全にネタ扱いされている。佐村河内守が「出演しなくてよかったなー」と安堵感の表情を浮かべるのだけど、森達也がここで一言。

「テレビは想いや思想なんかなくて、使える素材をいかに面白く表現するかだから、面白ければいいと思っている。佐村河内守さんが出演していれば多少違ったようになっていたと思うよ。」*1

それを聞いた佐村河内守は真剣な顔で考え込む。でも、このコメントは映画自身のことを差しているようにも思えないだろうか。映画のなかで森達也佐村河内守に話している事柄にはあまり嘘はないと思うし、あったとしてもそれは別に悪意があるものではないだろう。ただ、本作あくまで「映画」を目指しているので、森達也佐村河内守との距離感を感じたのかもしれない。実際に森達也はドキュメンタリーを撮っていると対象者を傷つけると語っているし、自分のHPが減っていくとも。だから生活のことも関係しているが、なかなかドキュメンタリー映画を撮れないと語っている。

森達也ドキュメンタリー映画の特徴的な「現実/虚構」の境界線の揺らぎのようなものを自覚的に撮っているように思えた。数年間にわたって撮影したわけであるが、かならず訪問シーン「玄関(扉)」から入るシーンを記録している。これは鑑賞者に映画に没入する感覚を与えることができ、より佐村河内守に対して身近な感覚を覚えるだろう。そしてもちろん玄関からカメラを回すことで家の外で起きていることも描写できる。

ある日、森達也佐村河内守の家に訪問しようとエレベーターから降りると、佐村河内守の家の前に警察が立っている。ここで「佐村河内守は一体何をしたんだ?(巻き込まれたんだ?)」と色々と考えるのだが、どうも家の前の消火器がいたずらで落とされていたらしい。奥さんに聞くとそんなことが頻繁に起きているらしい。玄関のシーンをカットしないことで、佐村河内守に寄り添った視点のみならず外からの視線(批評性)を持たせることに成功している。これは事実を編集によってうまく利用しているということだ。そして玄関の扉が佐村河内守の部屋の扉に移る終盤。森達也が「音楽やりませんか?」とけしかけたことから、部屋にこもってシーケンサーを弄るようになった佐村河内守。ここでも部屋のドアから入るシーンが撮影されている。光を浴びた佐村河内守の影は神々しく、ぶっちゃけかっこいい。今までの佐村河内守とは何か違う…そういった「変化」をここでは記録しているのである。そしてラストシーンの真意。「現実/虚構」から「光/影」への転換へ。

森達也はこの映画では白と黒ハッキリつけたいわけではないと語っている。それはタイトルの『FAKE』が示すように、どこからどこが嘘なのか、すべてが嘘なのか、真実は誰もわからない。だからあのラストに落ち着く。「黒白写真」が黒と白のみならず、階調が存在するようにこの映画にもその間の灰色の部分が存在する。何が真実で何が嘘なのか、ドキュメンタリーと劇映画の間を自由自在に行き来する途方もない映画だと思った。それと最後に、猫が最高にかわいいです。

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森達也の夜の映画学校

森達也の夜の映画学校

*1:台詞は多少違うかもしれません

2016-06-27

2016年上半期に見た新作映画ベスト10

さて今年も残すところ半分になってしまいました。たくさん映画を見たなーと思いながらも、案外見ていないかもなーなんて思ったり、日々の疲れがどっと出たり、日々暑いしで大変なシーズンです。じゃあ恒例の上半期ベストを。

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  1. 中島みゆき 夜会VOL.18 橋の下のアルカディア
  2. ホース・マネー
  3. ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE in 台湾
  4. ロブスター
  5. ヤクザと憲法
  6. 同級生
  7. FAKE
  8. ブリッジ・オブ・スパイ
  9. 10 クローバーフィールド・レーン
  10. スティーブ・ジョブズ

こんな感じでした。ではそれぞれ雑感を。

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恐らく今年のベストはこの作品になるだろう。自分のいちばい弱い部分をエグるだけ、エグられた驚異的な作品。『夜会』は「コンサートでもない、演劇でもない、ミュージカルでもない「言葉の実験劇場」」をコンセプトにされており、『夜会18』は、最新公演を記録して劇場公開したもの。中島みゆきの歌唱力は素晴らしいと事前にわかっていながら感動してしまった。物語も完全にイカれている。橋の下を舞台に過去と現在が交錯し合い、しまいには輪廻転生が絡み『神無月の巫女』やムックの音楽性(哀愁と痛み)との親和性を感じる。全ての痛みを内包した驚異の傑作。見ながら死ぬかと思った。

悲痛なまでの”痛み”を物語った大傑作/『中島みゆき 夜会VOL.18 「橋の下のアルカディア」−劇場版−』を見た(感想) - つぶやきの延長線上

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孤独な男の記憶を巡る物語。はたしてこの映画はフィクションなのだろうか、ドキュメンタリーなのだろうか。それほどまでに「記憶」を見せつけられていた、とそんな気がしたのだ。まるでこちらも映画と一緒に迷宮にさまよったような感覚。最高のレイアウトとライティングによる強靭な画面の連続に、ただただウットリしてしまった。カメラが、音(靴音、電話の引きずる音、戦車…等)を捉え、暗闇から人物が現れる。ただただ、かっこいい映画だった。名古屋に来たらまた再鑑賞したい。

  • ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE in 台湾(日本/119分)

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あの蛭子さんが大活躍するエンターテイメント・ムービー。今年これほどまでに映画に愛された作品はないんじゃないか?と、まるで劇映画のような奇跡的な瞬間にドキュメンタリーであることを忘れる。いや〜映画っていいね〜。

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東海テレビドキュメンタリー枠。『ホームレス理事長』も驚異的な傑作だったけど、ドキュメンタリーといった体制にも関わらずフェイクドキュメンタリーのような瞬間も見られ、フィクションとドキュメンタリーの差はないんだな、と思った作品。

「拳銃とかどこにあるんですか?いざという時どうするんですか?」

スタッフが本物の方にぐいっと攻めるときに、まるでフェイクドキュメンタリー的なはぐらかしかたに見えてしまってめちゃくちゃ面白かった。

東海テレビドキュメンタリー映画『ふたりの死刑囚』『ヤクザと憲法』『死刑弁護人』を3本みた雑感 - つぶやきの延長線上

  • ロブスター(ヨルゴス・ランティモス/アイルランド・イギリス・ギリシャ・フランス・オランダ・アメリカ合作/118分)

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とにかく悪意の塊みたいな映画。反体制のリーダー(レアセドゥ)の家で、カップル同士いちゃいちゃしているシーン最高だし、飛び降り自殺した女がギャーギャー騒ぐところを厭味ったらしく撮るシーン最高!それと横乳のほくろを撮る天才!最近のデ・パルマのお気に入り映画らしい。

  • 同級生(中村章子/日本/60分)

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恋に落ちる瞬間を捉えた教室のシーン絶品!60分の上映時間のなか、コマ割り、画面分割などでグイグイとテンポを上げ駆け抜ける!あとは背景のちょうどよさかなー。

ふたりが出会うとき−−−『キャロル』から中村章子『同級生』について(感想) - つぶやきの延長線上

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ゴーストライター問題でマスコミにボロクソにされた佐村河内守に迫った(?)ドキュメンタリー。テレビ局がフジテレビの特番に出演して下さいと迫った時の「真剣なのにバカバカしい」感じってのは絶品。「現実/虚構」の揺らぎをかじるような瞬間を捉えるのが上手い。それとコメディ映画に落とし込まれているのがすごかったなー。あと、猫かわいいよね。

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闇を照らしだす光の演出が冴えわたっていた。冒頭の真っ暗な部屋での目を疑うような入射光から、次のカットが昼間の濡れた路面と光を逃さない。また、カメラのフラッシュ、橋のシーンの巨大なライト、飛行機の巨大なレンズ…攻めまくった姿勢に泣いた。

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「逃げること」が追及されているが、最後に変化が起こる。雷の先に見える、あの城のような存在に『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』を想起してしまいまんまとやられた。

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アーロン・ソーキンの脚本の大勝利!はじめはあまりにものセリフの多さと、登場人物のキレまくりな演技に難色を示したが、見ているたびにどんどんとそれが楽しくなってしまった。完璧に飲まれた。そしてあのラストは泣くよ(泣いた)


【次点】

傷物語』はとにかく公開されたら、とかなりの覚悟で臨んで、結構面白かったのだけど、キマリまくっててちょっと引き気味だったのがフィーリングと合わなかったかな。でも、海のあの背景はすごかったし、何よりもキスショットちょーかわいい!『プリキュア』めちゃくちゃ面白かった!堀江由衣オンステージみたいになったところあったけど(笑)上記以外だと『貞子vs伽椰子』も丁寧な作りでよかったし、『父を探して』『パディントン』『アイアムアヒーロー』『ディストラクション・ベイビーズ』『心霊〜パンデミック〜フェイズ3』あたりもよかったですね。

【苦手だったの】

【最後に】
下半期はスコリモフスキの新作あったかな?あとは、ホンサンスの新作を待ち焦がれているのだけど、DVDスルーになる気がする。あとは傷物語がちゃんと公開されるか…

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