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三番瀬

(地理)
さんばんぜ

東京湾の最奥部の浦安市、市川市、船橋市及び習志野市にまたがる、水深5m以浅約1,800ヘクタールの干潟・浅海域。

東京湾の数少ない干潟として、夏には大勢の潮干狩り客が押し寄せ、秋にはハゼやシーバス狙いの釣り人が集まる。また冬にはスズガモなどの渡り鳥が飛来し、海苔の漁場ともなっている。近くにはディズニーランド(TDR)や、ららぽーと、幕張メッセなどが立ち並ぶ中、一帯は原風景をたもち、野鳥や生き物にとって重要な場所である。

1961年から周辺の埋め立てとあわせて、三番瀬の埋め立てによる土地造成が計画・構想された。しかし、社会情勢の変化とともに埋立面積の縮小案を検討、2001年には埋立白紙撤回を公約にした知事の当選とともに白紙化された。

現在は千葉県をはじめとして再生と今後の利用のあり方に関する議論が県民を巻き込み行われている。

アクセス

2006年現在、公式に海に降りられる場所は、船橋市ふなばし三番瀬海浜公園のみとなっている。実際には市川側では護岸からのつり人が多く、浦安側では護岸を乗り越えて海に降りる人がみられ、今後の課題となっている。

浦安側 JR京葉線「新浦安」駅から徒歩約20分
市川側 JR京葉線「市川塩浜」駅から徒歩約5分
船橋側 JR総武線、京成線「船橋」駅またはJR京葉線「二俣新町」駅から「船橋海浜公園」行きバス  

今後の論点

主に2005年以降の報道などで取り上げられた事項。

三番瀬再生会議

市民を中心とした2004年までの三番瀬再生計画検討会議(通称:円卓会議)が終わり、行政として県が事業計画・実施計画を立案する段階になっている。また、環境学習や護岸改修・漁場再生など担当部・課にそれぞれの事業を振り分けて検討を行っており、行政が一丸となって事業計画をまとめあげることが課題である。また、市民や地元についてもも、谷津干潟(習志野市)や行徳鳥獣保護区(市川市)の関係者も加わり、より幅広くなったことからより多くの主体による合意形成や、新たなアイディアの提案が課題である。

第二湾岸道路

東京湾環状道路の一部。
埋め立てた三番瀬を通過する計画であったが、埋め立て白紙撤回で計画も事実上白紙となっている。しかし、用地の多くは既に「空き地」として確保されており、建設を推進する県議会最大会派の自民党と、三番瀬の保全を優先し議論を事実上先送りする知事との間で激しく対立している。

猫実川河口域

市川市と浦安市の間を流れる猫実川の河口に広がる浅瀬。大潮時にのみこの海域に最大17~20haの干潟が干出する。干出が大潮に限られ、護岸からのアクセスが不能であることから、干出時の調査が行いにくい海域である。
アナジャコをはじめとする浅瀬の泥質の生態系の保護を主張する団体がいる一方、川による自然土砂供給がされれば本来は干潟が出現する地形であることから、人工的に土砂を供給して人工干潟を創ろうという団体もある。また、漁業者らからも砂を入れて潮周りを良くし、現在の泥質ではなく、アサリが取れる底質にしたいなどの意見があり、円卓会議において各者が対立する原因の一つともなった。現在、猫実川からの淡水導入試験、干出域の形成試験などが議論されている。

その後の市民調査では沖合500mに広がるカキ礁の規模が約50haもあり国内最大級であると報道された。しかし、現在漁場再生は別の会議で議論され、ひきつづき議論を呼んでいる。この地域に関しては「保護派」と「再生派」で環境保護団体も意見が割れている。リモートセンシングの結果、完全に牡蠣礁が確認できるのは1998年以降であり、最近できたものであることが確認された。また、規模に関しても約50haであることが確認された。

市川市塩浜地先の護岸の老朽化

釣り人を多く見かける場所であるが、市川側の海岸は堤防が老朽化して崩落した場所があり、現在立ち入り禁止となっている箇所が殆どである。そのため、緊急的な事項として早くから応急処置を施し、護岸の事業の検討が行われている。護岸の設計に関しては、安全性、埋め立てはしない、親水性をもたせる、生物に配慮する、海岸保全区域に指定するための高さ、など様々な議論の末、親水性を損なわないよう幅を持って設定すること、海への張り出しをなるべくおさえること、ルールや生き物の保全策がない状態では、スポット的な場所以外では降りられないようにすること、生き物と景観に配慮したかたちで石積みとする、こととして合意した。しかし、実際の試作では中途半端な傾斜や実際の海への張り出しのため、親水性や生物を保全する立場からは不満の声が聞こえる結果となり、合意形成の難しさを語っている。順応的管理で建設が進んでいる。

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