柳田國男の生涯 柳田國男(やなぎた くにお)の人生は、日本民俗学の創設と発展に捧げられたものであり、その背景には彼自身の経験や思想が深く関わっています。 幼少期と教育 柳田國男は1875年7月31日、兵庫県福崎町で生まれました。彼の生家は非常に小さく、彼自身が「日本一小さな家」と評するほどでした。この環境での生活が、彼の民俗学への関心を育むきっかけとなりました。幼少期には、地域の風習や農村の生活に触れる機会が多く、これが後の研究の基盤となります。 16歳で上京し、東京帝国大学法科大学政治科(現在の東京大学法学部)に進学しました。大学では農政学を学び、卒業後は農商務省に勤務する官僚となりました。…