今回はとても印象深い喪主のお話です。故人は90代のお婆ちゃんで、喪主は長男で独身。親族は30名ほどいらっしゃいましたが、芸術関係の方が多く、皆さん中々個性的な方々でした。と言っても、私は変わった人が好きなので、常識を外れた言動は苦になりません。 遺影写真は顔の半分が影になっていて、黒い闇の中に故人の顔半分が浮き出たようなものでした。親族の中に写真家の方がいて、この写真を故人も気に入っていたのだそうです。遺影写真というよりも芸術作品で、格好良い写真を飾ると、備え付けの祭壇までいつもと違うように見えました。喪主はよく喋る人で、故人の話を色々と私にしてくれました。喪主が私に何度も話しかけるのには理由…