20代の頃、私は地方銀行の行員だった。 特になりたい職業ではなかったが 家計事情で大学は諦めざるをえず 父の強い願いで銀行に就職した。 最初の配属店舗は国立の医科大の近くで 行員が12~3人の小規模店舗。 しかし医師や看護師、医大生のお客様が多く 市内でも比較的忙しい店舗だった。 いざ仕事を始めてみると 思っていたより楽しくて 色々なことを覚えていくにつれて もしかしてこれは私の天職かもしれない。 そう思うようになった。 銀行員になり最初に教えられたことは 「現金その場限り!」 お金には名前が書いてあるわけではないので 一旦お客様から受け取ってしまったら また、お客様に渡してしまったら 「間違…