訓読 >>> 暇(いとま)なみ来まさぬ君に霍公鳥(ほととぎす)我(わ)れかく恋ふと行きて告げこそ 要旨 >>> 暇がないからと、あの方はいらっしゃらないので、ホトトギスよ、こんなに恋い焦がれているという私の気持ちを、行って伝えてほしい。 鑑賞 >>> 大伴坂上郎女の「夏の相聞歌」。「暇なみ」は、暇がないゆえに。「来まさぬ」は、敬語。「かく恋ふ」は、このように恋うの意ですが、「カッコウ」と鳴く鳥の声にあてたものとする見方があります。ホトトギスとカッコウは全く違う鳥ですが、原文に「霍公鳥」とあるように、ここでは、ホトトギスの声を「カッコウ」と聞きなしていたと考えられます。そのため、『万葉集』に詠ま…