Crash
J・バラードと妻のキャサリンは、ハイウェイで正面衝突事故を起こし、九死に一生を得る。が、交通事故によって性的興奮を覚えたバラードは、衝突事故によってエクスタシーを得る人々を知り、次第にその世界にのめり込んで行く。
クローネンバーグらしい、金属と肉体のせめぎ合いが描かれる映画。裸体が多く、日本でも成人指定となったが、実際には硬質でエロっぽくもないとの声も多数あった。交通事故によってエクスタシーを得るなどという設定そもののが海外では「不謹慎だ」と物議を醸したが、日本ではエロかどうかの方が話題になった気がする。
とまれ、生気に欠けたアンドロイドのようなジェームズ・スペイダーとデボラ・アンガーという美男美女と、オスカー女優ホリー・ハンターらがバンバン脱ぎまくるが、それ目当てで観ると、作者の冷え冷えとした視線と難解な内容に慄然とする可能性もある。ハワード・ショアのエレクトリック・ギター主体の音楽も金属的で、クローネンバーグ映画でのショアらしく実験的である。
Crash
「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本で注目を集めたポール・ハギスが脚本に加えて自ら製作と監督も務めた衝撃のヒューマン群像サスペンス。様々な人種が入り混じり、人種間の摩擦と緊張が極限にまで高まるアメリカのロサンジェルスを舞台に、次々と引き起こされる“衝突”の連鎖によって運命を狂わされていく人々の姿を多彩な俳優陣の豪華競演で描き出す。
クリスマスを間近に控えたロサンジェルス。黒人刑事グラハムとその同僚でヒスパニックの恋人リア。銃砲店で不当な差別に憤慨するペルシャ人の雑貨店経営者ファハド。白人に敵意を抱く黒人青年アンソニーとピーター。地方検事のリックとその妻ジーン。差別主義者の白人警官ライアンと同僚のハンセン。裕福な黒人夫婦キャメロンとクリスティン。やがて彼らの人生は思いがけない形で交錯、大きく狂い始める…。
(allcinemaより)
*1:Rated R for language, sexual content and some violence.
→The Clash
「ラッシュ」の誤爆回避。