○浅草仲店界隈元旦の空爆で焼けたる由。 ○矢崎徳光『不滅の科学者』を読む。(12頁) 二日の項はこれだけの短いものです。日によってあっさりと書き流している時もあれば、何ページにもわたって延々と書きつけている時もあるのは、日記のつねですね。 三十一日〜一日の夜の空爆の被害が次第に伝わってきています。 『不滅の科学者』は教育学者・矢川徳光の著作で、潮文閣から1943年に出版された『不滅の科学者 ケプラー,ガリレオ,ニュートン』のことで、矢崎は矢川の誤記だと思われます。これは三科学者の事績を追った伝記本です。 のちのち見ていくように、誠也が読んでいる本は小説や詩、文学関係が多い一方で、学校で学んでい…