テスカトリポカ

フォローしているブロガーさんが紹介していた本。 「南米絡み」ということで、興味があったので読んでみた。 以下、「ネタバレ」しないように慎重に書くため、内容には極力触れない、ただの「感想文」となる。（他の【読書日記】と同様） まず、この本を読み始めて浮かんだのは、この言葉だった。 理由は、うまく説明できない。 De esa extrana novela que alguos llaman destino「運命」と呼ばれる その不思議な小説のことをY otros prefieren llamar casualidad「偶然」と呼ぶのを好む人も居るのだ さて、テスカトリポカというのは、メキシコの「ア…

画像の転載、複製、改変等は禁止します。 本記事およびイラストは https://ameblo.jp/0831nuko/ および https://nukobook.com/ で掲載されているものです。 上記以外で記事やイラストを掲載しているサイトがありましたら、ご一報いただけますと幸いです。転載や引用につきましてはご連絡ください。 『テスカトリポカ』 佐藤 究 (著) 角川文庫 のイラストブックレビューです。 メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロは敵対組織の攻撃を受け、ジャカルタへ逃亡し身を潜めていた。そこで日本人の臓器ブローカーと知り合い、日本に渡り新たなビジネスを開始。一方、川崎…

第165回直木賞受賞作。残虐な描写が多い。クライムノベル。 麻薬カルテルに兄を殺された少女ルシアは故郷を離れ、ついには日本へとたどり着く。やがて結婚し、子供を産んでコシモと名付けた。 バルミロは麻薬カルテルのボスだった。対抗組織にカルテルを壊滅させられたバルミロは、逃れた先のジャカルタで末永という日本人に出会い、日本へやってきた。

243.テスカトリポカ/佐藤究 新しい太陽は新しい影を作り、新しい闇をもたらす。（p.186） テスカトリポカ (角川文庫) 作者:佐藤 究 KADOKAWA Amazon さまざまな血塗られた思惑を抱えながら生き長らえた無法者たちは、新たな臓器ビジネスを立ちあげるために日本へと集結する、佐藤究のクライムノベル。 圧倒的に読ませる力が凄まじい。どうすればこんな物語が書けるのだろう。 メキシコのカルテルの頂点に君臨していた麻薬密売人の男は、対抗組織による殲滅作戦から逃れ、ジャカルタにて新たなファミリア再興の機を待っていた。 そんな東南アジアの地で、臓器ブローカーとして働いていた日本人の男は、かつ…

★★★☆☆ あらすじ 敵対する組織に壊滅的な打撃を受けたメキシコの麻薬カルテルの男は海外に逃れ、たどり着いた日本で復活を期して新たなビジネスをはじめる。 鏡三部作の完結編。直木賞受賞作。 感想 元麻薬カルテルで古代アステカ神話を信奉するメキシコ人の元に集った人々の群像劇だ。まずこのメキシコ人の物語に惹きつけられる。残虐な手口で巨大な麻薬カルテルを築くも敵対勢力に壊滅させられ、命からがら国外へと逃亡する。 本来ならこの時点で、彼はもう終わった人にしか見えないのだが、ここから再び大きな力を持とうと復活を期している。最初はどうなるか分からない状態だったのに、資金力と経験を活かして挽回し、着実に足場を…

どうも、ゆかりごはんです。 今週も、読んだ本の感想をまとめていこうと思う。今週は野﨑まど作品を中心に読了した。いやぁ、面白いねぇ、野﨑まど作品。 ぼぎわんか、来る/澤村伊智 幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。正体不明の噛み傷を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。一連の怪異は、亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのだろうか? 愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。真琴は田原家に通いはじめるが…

直木賞の全作読破中です。 佐藤究さんの「テスカトリポカ」をじっくり時間をかけて読み進めています。 いやあ、異能の作家、作品です、日本では珍しいタイプの。