風雲児や仕掛け人のイメージの反面、詩人や俳人であり、映画監督やプロデューサー業もこなして、何よりも出版人である角川春樹さん。ハルキ文庫やかつてのランティエ叢書を気に入っているのもあるが、思春期時代に彼が仕掛けた映画と小説のメディアミックス戦略にはまった世代でもある。もちろん、それなりに楽しませてもらった。 「読んでから見るか、見てから読むか」のコピーも忘れられない。横溝正史、森村誠一両氏の作品を読み、かつ映画も見た。本の世界に視覚的刺激を持ち込んだ人という印象がある。 完全版 最後の角川春樹 (河出文庫 い 50-1) 作者:伊藤 彰彦 河出書房新社 Amazon 角川春樹さんが現在83歳だが…