この小説、著者ホームページに掲載の作品リストを見ると、出版8冊目。 1982年12月に『レコーディング殺人事件』と題して講談社ノベルズで出版された。 作品リストの第1冊が1982年2月の出版なので、実に最初期に書かれた作品。 やはり、改題名称の方が何となく現代的な感じを受ける。今風といえようか。 文庫本表紙には、THE FAKE という英字が付されているので、名詞形で使われている。研究社の『新英和中辞典』を引くと、「模造品」の続きに「いんちき;虚報」という意味がある。ここでは、「いんちき」という意味合いがぴったりする。捜査プロセスでのやりとりでいえば「虚報」となる。 一方、fake という英単…