前回の『徒然草』第52~53段に続き,今回は『平家物語』の有名なシーンを見ます。 『平家物語』は鎌倉時代に成立した軍記物語で,「祇園精舎の鐘の声,諸行無常の響きあり,沙羅双樹の花の色,盛者必衰の理を顕す」で始まるやつですね。「敦盛最後の事」は巻九の途中にあります。 == さる程に一の谷の軍やぶれしかば(敗れたので),武蔵の国の住人熊谷の次郎直実,平家の公達の(位の高い方達が)助船に乗らんとて,汀(みぎは)の方へや落ち行き給ふらん(落ち延びて行かれることだろう),あつぱれよき大将軍に組まばや(大将軍と勝負したいなあ)と思ひ,細道にかかつて,汀の方へ歩まする所に,ここに練緯(ねりぬき)に鶴縫うたる…