中世の越前国では、寺社領内の茶園や「後山」などで茶の生産が行われていた。その多くは地域権力者への贈答のほか、寺院や寺庵、領民の日常で利用されていたとみられる。一方で戦国大名である越前朝倉氏は宇治の堀家と関係を結んで宇治茶の供給を確保していた。 妙善寺の茶園 朝倉教景と茶 滝谷寺の茶の流通 後山での生産 屋敷地の茶園 寺社の茶園 越前朝倉氏の宇治茶入手ルート 朝倉氏の茶湯 参考文献 妙善寺の茶園 福井県敦賀郡神泉町にある浄土宗の古刹天筒山善妙寺では、中世、茶の生産が行われていた。 善妙寺は弘治三年(1557)三月の大火により、その建物や古文書類が焼失。翌永禄元年(1558)六月五日、敦賀郡司朝倉…