鎌倉仏教を奉じる教団の傾向として、旧仏教ほど「寄進された荘園」というものを持っていない、ということがある(一部例外はある)。彼らは中世に入って出現した新興勢力であったから、残されたパイであるところの「余った土地」が少なかったわけである。(故に武士階級から支持されたともいえる。一部の宗派を除いて、土地の取り合いで武士たちと競合することはなかったわけだ)。ではどうやって教団を維持していくかというと、主に在家信者による「銭や物の寄付」に頼ることになるのである。 どこも宗祖が存命の頃は、その個人的な人間関係や、カリスマ性によって集まってくる寄進でやっていける。しかし2代目以降となると、そうはいかなくな…