仏教の考え方の好きなところは、まず「人間は苦しみを抱えている」という事を真理として考える所から始める事です。まず人間には前提として苦しみを抱えていて、その苦しみをいかに和らげるか、軽減させるかという事を認める所から始める。とても理に適っていると感じます。 「生まれる」という時点から苦しみが始まっているというところを認めているというあたりが、すでにハイデッガーが言う「世界内存在」を包含している感じがします。そもそも、この世に存在するという事自体が苦であるという、人間そのものである事が苦である事を認めて、その地点から初めて冷静に生きていける。そんな感じです。 そして、苦しみの原因とは何かと言うと、…