岡山県倉敷市。岡山県の第2の都市。市としては50万都市だがいくつも中心地があり、「倉敷」はほぼ20万人都市。
中世までは海の中だったが、戦国末期から江戸期の埋め立てで陸地に。倉敷川の船運による備中米の集散地として開かれ、江戸期に備中の中心都市に。江戸初期よりの幕府領が幸いして、「町人の町」として自由な雰囲気が醸成されたまま発展。町人文化の発達は、明治大正期を通じて大原家などのメセナへと発展。
当時の蔵屋敷が並ぶ美観地区は、大原美術館、アイビースクエア、倉敷民芸館、倉敷考古館などが並び、絶好の観光スポットとなっている。大原美術館は、画学生の間で「日本のパリ」となる。「クラボウ(倉敷紡績)」「クラレ(倉敷レーヨン)」「中国銀行」などの発祥地である。江戸期以来の「文化の町倉敷」は今も健在で、「倉敷芸術科学大学(芸術・産業科学)」「くらしき作陽大学(音楽・食文化)」などが進出を競っている。
実は「蔵屋敷があったから倉敷」という説は間違い。中世の荘園の積出港の一般名詞「倉敷地」を初めて固有名詞にした「倉敷村」には秘密が。
今は「美観地区」という一般名詞が固有名詞化して、京都に続く「行ってみたい観光地第2位」にあげられる。その美観地区は大正期以来、観光のために計画的に作られた街である。倉敷の魅力は美観地区のみならず、その(倉敷の)発祥の地である「本町」にある。本町そしてその先の東町まで足を延ばした人は誰しも「こんなにいい所が倉敷にあるんだ・・・」という。
さらに濃い倉敷をお望みの方は、「鶴形山」の散策をお勧めする。阿知神社にある「算額」は文化都市倉敷にふさわしい天才の姿をとどめている。
今日も「倉敷美観地区」は若いカップルたちで埋まっている。