鼻毛延高と千久羅坊の二人は、馬喰町の宿屋を出発し、両国にやってきました。 ※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。金草鞋 1編 - 国立国会図書館デジタルコレクション諸国道中金の草鞋 1 - 国立国会図書館デジタルコレクション※損傷個所は可能な限り修正しています。※赤字の書き入れは筆者。【原文】 馬喰町筋を肴店《さかなだな》へ曲がり、両国の広小路に出れば、此処《こゝ》にも芝居、軽業《かるわざ》、物真似、様/゛\の見世物有りて、常に人足絶へず、繁昌の所なり。 二人ハ群集《ぐんじゆ》を押し分け/\、両国橋の中程に立ち止まりて、狂「やうやつと 真ん中程ゝ …