街の片隅に時間の流れから取り残されたかのような 古い商店街に、ひときわ目を引くネオンサインがありました。 それは、喫茶店「銀河」の、少し褪せた青と赤の光。 戦後間もない頃からこの街を見守り続けてきたその光は、 かつては闇を切り裂く希望の象徴であり、 夜な夜な集う人々の語らいの舞台を照らしてきました。 店主は、シワの刻まれた笑顔が印象的なタケオさん。 戦争から戻り、焼け野原にこの店を開いて以来、 半世紀以上にわたってネオンサインの点灯を日課としてきました。 彼は、ネオンの光がともるたびに、 この街が少しずつ活気を取り戻していく様子を、 そして、その光の下で多くの人々の笑顔が生まれるのを見てきまし…