竹田くんは以前の職場でも、自分の居場所を守るために戦った。多勢に無勢でも一歩もひるまなかった。 今回の戦争は、病院の組織権力との闘争となる。竹田くんは圧倒的に不利だ。しかし弱者の立場でも強者と対峙できる勇気を竹田くんは持っていた。 竹田くんは策士である。策士は、頭脳で形勢挽回する。 明智光秀の言葉に「武士の嘘を武略という」という言葉がある。 竹田くんの嘘も知略である。虚偽報告書、数字を自分に都合よく解釈して作成した『脳外チーム 3人の合併症発生率の比較データ』の書類。それらの捏造文書が竹田くんの兵器となる。 脳外科部屋でそんな作戦立案・武器製造に時間を費やしている間に、病棟の現場は大混乱に陥っ…