ばあさんが読み終わったのを借りました。多和田葉子の小説は、前から興味あったのですが、読むのは初めて。 裏表紙に書いてあるテキスト。 漢字一文字を鏡文字にしたものが見出しに使われ、短いパラグラフの集合からなる小説、といったところでしょうか。 ドイツ生活における様々な出来事を連ねる形式は、大江健三郎の後期短篇に似たような印象を受けます。 読みやすい文体なのですが、テーマがあちらこちらへと変わり、いま自分が何を読んでいるのかと見失うこともしばしばありました。見失う、というか、話の展開についていけなくなるというか。 散文詩のような内容も多くみられ、これがこの作者の作風なのでしょうか。他の作品も読んでみ…