正徳2年3月15日。近頃聞いた話。久米氏後家で柳原林左妹の日成という尼は妙蓮寺の地家真如院という淫僧とかねてから関係を持っていた。この尼は金持ちであった。真如院は金の世話すると言って多くを自分の懐に入れていた。その上、桑名の浪人の妻と関係を持ち、日成を少し疎んじた。このため尼は嫉妬して金のこと言い出し、妙蓮寺隠居日朝に書付で様々なことを話した。この金を返さない時は真如院の不義を寺社奉行に訴えると言った。宗派をあげてこのことを相談したと云々。真如院を出奔させるか、寄合金をかなり渡して隠居させるかなどを持ち帰ると云々。少し前、浄土宗林松寺四十八夜(法会)の時、吟了という所化(修行中の僧)がとても蓮…