夜、道ばたで寝ているおっちゃんがいるのだ。 ホームレスの人たちは普通、 重装備で冬の夜を乗り切ろうとするものだが、 彼と言えば、 段ボールの中に入って寝るわけでもなく、 風よけになるスペースに潜り込むわけでもなく、 氷点下の日でも道路上に身ひとつで横たわっている。 僕は、深夜にジムへ行くとき、彼の前を通るが、 どうしても彼のことが、神様にしか見えないのだ。 ここ南森町一帯を守ってくれている守り神、というか、 住人たちの、様々な負の想いを受け止め、 浄化してくれる精霊のような存在に思えてならない。 なので、時々、ワンカップを彼の近くに置いたりして、 いつもご苦労様、と〝お供え〟(笑)をしている。…