前回のブログでは、フェンタニルという薬がもともとは医療用の強い鎮痛剤だったこと、そしてアメリカで処方薬として広く使われた結果、依存症を生む「オピオイド危機」へとつながった流れを書いた。 痛みを和らげるはずの薬が、やがて違法に作られ、快楽や依存のために使われ、「新しいアヘン戦争」と呼ばれるほどの国際問題になっている──そんな話だった。 今回は、その続きとして、なぜ日本が国際的な密輸ネットワークの拠点として選ばれたのかを考えてみたい。 🛡️ 安全で信用のある国 日本は世界でも治安が良い国として知られている。「日本から来た荷物」や「日本法人の書類」は、海外での信用度が高い。この“ブランド”を悪用すれ…