4 国家=革命論なき「潤沢なコニュミズム」社会への移行願望 斎藤は、自然と人間とが統一された「持続可能な」「潤沢で公平な社会」を創造するものとして、コモンを見いだす。その主体は市民である。労働者は資本に包摂されたものとして、その即自的団結形態としての労働組合は切り捨てられる。労働者に彼が求めるのはワーカーズコープという職場の民主的管理・運営すなわち労働者による企業の経営である。(ワーカーズコープを主体とするということの問題性についてはここでは触れない。) 彼は、このワーカーズコープをも、コモンを民主的に管理する共同体に集約されるものとして考えているようである。だから彼は、アメリカにおける住民闘…