詩人・小説家。石川県出身、金沢生まれ。明治22年(1889年)〜昭和37年(1962年)。 北原白秋の引き立てで詩壇に登場。萩原朔太郎らと交流を結び、哀愁孤独をうたう抒情詩人として活躍。のち小説に転じ、自らの苦しい半生を題材に自伝的小説を数多く発表した。代表作は詩集に「愛の詩集」「抒情小曲集」、小説に「幼年時代」「性に眼覚める頃」「あにいもうと」「杏っ子」「蜜のあはれ」「かげろふの日記遺文」等。朝湯を好んだ。
2021年10月9日 老境に入った実家の家人らの朝は早い。もう、老境を視界に捉えた僕の朝も必然早くなる。朝食はもとより、母が息子に3食食べさせようとするのが、不思議。「もう、私一日一食よ。三食食うなんてブルジョアの仕草ですよ」と発言して、白眼視されたので外出。 地方都市からのぉ 途中、小学校の掲示板にコロナ罹患者への白眼視を諌める旨の貼り紙。事実、駐車場に置かれた県外ナンバーの車がコインスクラッチされたり、ノーマスク勢が叱責されたり、といった村社会丸出しの所作が横行しているようだ。こんな時こそ、人品骨柄が問われるし、閉じてシュリンクして、老いさらばえていくのが、中規模地方都市の一般なのだろう。…
金沢21世紀美術館の予備知識 金沢21世紀美術館 ネガティブな口コミ ネガティブになる要因 Ⅰ 新しいもの、前例のないもの、自分が理解できないもの 尾山神社の神門 ”映える” 神門 反対運動 金沢21世紀美術館 現代美術館に反対運動 新しいもの、前例のないものに対する拒絶反応 芸術は主観的なものだ 金沢21世紀美術館のコンセプト 従来の美術館のイメージを払拭して… 新しいもの、前例のないもの、自分が理解できないもの 年配の方の反応 キャンベルのスープ缶 優しい心で味わいましょう したり顔で頷く必要はありません 次回は、子供連れでの入場について 金沢21世紀美術館の予備知識 金沢21世紀美術館 …
酷暑がなかなか終わってくれない。手元にある詩集や歌集をパラパラめくりながら、夏の暑さを罵倒したり呪ったりした作品ってあるのだろうか探してみたが、見つからない。もともと、冬や秋に比べると夏をテーマやモチーフにした詩歌は少ない。それに、暑くてたまりませんなどと詩や短歌で文句を言ってみても始まらない。見つからないのも当然か。というわけで、最初の趣旨に沿う作品は見つからなかったが、せっかくだからいくつかの夏の詩と短歌を拾ってみた。以下、そのいくつか。(*は私の注釈や感想)◇◇◇村野次郎 土用照朝よりきびしひとむらの茅萱〔ちがや〕炎となりて目に来る ひびわれて土熱〔ほ〕めきたつ日の盛り風死して目に動くも…
室生犀星の「名園の落水」の一節があります。 名園とは、兼六園のことなのでしょうか。 【池の中洲に海底石の龕塔が葉を落とした 枝垂桜を挿んで立っている。 それを見ながら横になっていると、滝の音とは 違う落ち水のしたたりがお亭の入口の方でした】
室生犀星の随筆を読んでいると、彼と親交のあった萩原朔太郎の話題がたびたび出てきます。同時代を生きた2人が嫉妬のような黒い感情にとらわれずに親愛を交わしている様子が感じられて、ほっとします。2人とも孤独を背景として作品を作りながらも、それとの向き合い方がずいぶん異なっているように感じます。だからこそぶつかり合わずに済んだのかもしれません。 室生の随筆に引用されていた、萩原の短文があります。『病気の狼』と題された文章です。これを読んだときに、まるで自分のことが書かれているような気がしてはっとしました。 孤独に慣らされた狼は、月の夜に、白くつもった雪の上を歩くのを恐れるのである。何故と言えば、白く光…
金沢 晴れ、絶好の桜撮影日和となりそうです。何かと桜ネタが続いており、一休みです。早咲きの桜と一緒な時期に咲く、室生犀星ゆかりの雨宝院「杏の花」です(笑)【ウィキペディア引用】室生 犀星(むろう さいせい、1889年〈明治22年〉8月1日 - 1962年〈昭和37年〉3月26日)は、日本の詩人・小説家。石川県金沢市出身。1934年に「あにいもうと」を発表。第2次世界大戦後も沈黙があったが、1956年の『杏っ子』で復活をとげ、その後は小説家として名を上げた。 kanazawa10no3.hatenablog.com kanazawa10no3.hatenablog.com【撮影場所 犀川沿い雨宝…
田端は坂の多い町です。 大正3年、田端に越してきたばかりの、当時まだ東京帝国大学の学生であった芥川龍之介(明治25.3.1~昭和2.7.24 小説家)が、友人の井川恭に宛てた手紙(大正3.11.30)で、 「たゞ厄介なのは田端の停車場へゆくのに可成急な坂がある事だ それが柳町の坂位長くつて路幅があの半分位しかない だから雨のふるときは足駄で下りるのは大分難渋だ そこで雨のふるときは一寸学校が休みたくなる」 と書いて送るほど。 (一高時代の芥川龍之介) 芥川が田端に引っ越してきた頃の田端駅は、けっこう長い間工事中で、現在の田端駅の場所とは違うところ(現在の田端駅より北西、京浜東北線と山手線が分岐…
以前紹介した異色の秀作「蜜のあわれ」が今 ↓GYAO!で無料視聴できます。2月12日(日)まで↓ 蜜のあわれ GYAO!情報より引用させていただきます。 おじさま、あたいを恋人にして頂戴。短い人生なんだから、愉しいことでいっぱいにするべきよ室生犀星の幻想文学を映画化。金魚と作家と幽霊が織りなす、艶やかで濃密な恋の物語!自分のことを「あたい」と呼び、まあるいお尻と愛嬌のある顔が愛くるしい赤子(二階堂ふみ)は、共に暮らす老作家(大杉漣)を「おじさま」と呼んで、かなりきわどいエロティックな会話を繰り返し、夜は身体をぴったりとくっ付けて一緒に眠る。しかしなにやら様子がおかしい。赤子は普通の女とは何かが…
こんにちわ。 ブログ百科ララの杏花です。 出典:photoAC 早いものですね。 「明けましておめでとうございます!」 そんな風にご挨拶をと思っていたのに、あっという間に時間が経って早松の内も過ぎました。 ちなみに門松を立ててお正月を祝う松の内というのは、関東では1月7日まで、関西では1月15日までだそうですね。 お正月といってもほんの気持ちばかりの事しかしない私は、お雑煮とおせち料理は伊達巻き、栗きんとん、黒豆、なます、煮しめ、そして日本酒とつまみにカズノコわさび等を用意して過ごしました。 そして年明けの3日には近くの神社へ散歩がてらお参りに行ってきました。 でも浮世の習いごとである年賀状な…
※ 写真は本文とあんまり関係ありません。 室生犀星作品について、緩くて雑な話を一つ。敬老の日ネタにでも、と書きかけていたのを、すっかり忘れていた。しかしまぁ、そういう目論見に適う話にはまったくもって全然なってないっすね、あらまっ\(^o^)/ けふはえびのように悲しい角(つの)やらひげやらとげやら一杯生やしてゐるがどれが悲しがつてゐるのか判らない。 ひげにたづねて見ればおれではないといふ。尖つたとげに聞いて見たらわしでもないといふ。それでは一体誰が悲しがつてゐるのか誰に聞いてみてもさつぱり判らない。 生きてたたみを這うてゐるえせえび一疋。からだじうが悲しいのだ。 室生犀星「老いたるえびのうた」…
こんにちは! 吉田菊子です。 ほぼ毎週木曜日の夜9:30から、20~30分、朗読をお届けする、zoom白菊朗読会。 前回、11月30日にご参加くださった皆さん、ありがとうございました! 今度は12月7日(木)です。 zoomミーティングに参加するには、 以下の「Launch Meeting - Zoom」と青い文字で書いてあるところをクリックしてください。 ミーティングIDやパスワードの指定をする必要はなく、直接、ご参加いただけます。 (青い文字の下にある【注意事項】も、必ずご確認ください。) Launch Meeting - Zoom ※ 過去の回の青い文字をクリックしても、ご参加できません…
贅沢貧乏(新潮文庫) 作者:森 茉莉 新潮社 Amazon 吾輩は黒猫ジュリエット。 牟礼魔利(むれまりあ)、自分のことみたい。一人称は常に「魔利」。日頃から「わたし」と言わない人なのか、第三者的にエッセイを進めているのか。 貧乏がゆえの精一杯の贅沢。それには妥協しない。 ビフテキの薔薇色と脂。室生犀星の女ひとより。 自分と後醍醐天皇を例える。わおー。 中年にちがいはないが、中身が13、14。 魔利の通学時代はもちろん俥。 帰宅したら「かおあらうおゆ」とひとこと女中に言う。 重いものは持ったことない。 顔も姿も駄目だが、心とようすだけは美人だと己惚れている。 家事には無能、加えて贅沢だから生活…
🐎ナミュール(競走馬)、マイルチャンピオンシップ2023(G1)1着、おめでとうございます。今回のこのナミュールの1着、偉大でしたねー。勝ち方も大いに魅せたようです。オークス3着、秋華賞2着、エリザベス女王杯5着、そしてナミュールは横山武史騎手に潰されるなどと言っている人が居たのがまだ去年の事なのに、大分前の事のようだったのが、今回の「スルーセブンシーズ(競走馬)超え」。ナミュールが「まねっこどうぶつ」だとは知らなかったっす。でもとても嬉しい。それとジャスティンカフェ(競走馬)のG1レース3着もなかなかのものですね。こちらも嬉しかったです。そしてダノンザキッド(競走馬)が5着、シュネルマイスタ…
この「忘春詩集」が、実に詩人としての彼の心境を一転させた。室生君がその心に空虚を感じ、浮世を果敢なみ、ミミズの哀音に似た詩境を地下に掘って行ったのは、実にこの時以来である。僕は子供の死ぐらいで、それほど絶望的になる場合を想像できない。けれども室生君は、徹頭徹尾人情派の詩人であって、人情が彼の人生観の一切だから、むしろそうしたことが当然なのだ。この時以来、室生君の心境は変化し、或る種のいじいじした、かじかんだ、継子のような寂しいものに傾いてきた。そして何もかも、一切の野心と希望を失った。無気力なさびしい厭世観と、世捨人のあきらめた風流韻事が、深く深くその心に沁み込んできた。萩原朔太郎の室生犀星評…
久しぶりの喫茶伯剌西爾である。新見南吉のポエカフェがあったけど、東京ではひっさしぶりのオンラインじゃない開催なのだ。 事前に朗読したい詩はどれ?と言われ各自、これがいいという。そして他の方とダブってしまった私は案の定、抽選に敗れ・・・・・・さらに希望を出してねと再度、分厚いテキストを睨む。うう、高田敏子じゃないんならもう短いので何でもええわと半ば、なげやりにみていたら、あるじゃないか、とっておきの短詩が、槐多が。 テキストは色別に進みます。まずは青。どう考えても一番多そうな青。 1)左川ちか「死の髯」 最後の一行だけでもわからないなりに強烈なパンチが飛んでくるイメージ。 死は私の殻を脱ぐ。 『…
お風呂からあがったら、リビングにうっすらとモグの気配を感じた。さっきまで彼女がこたつに座ってテレビを見ていたような。かすかな彼女の匂い。発した熱。空間にごく薄く刻まれた動きの痕跡。笑みの名残り。 たまにこういうことがある。でも寂しい。ほんとうに寂しい。 すっかり、私は私でなくなったように感じる。かつて彼女は私の一部だった。私そのものだった。その彼女はもういない。私は私のなかに引きずり込まれるように退いて、いまここにある私は、私なのに私でなくなっている。鏡に映る私の唇、お風呂場でボディソープの泡に覆われた私の腕と胸、ペディキュアを乾かしている途中のつま先、何もかも、どこもかしこも、私ではない。 …
こんにちは! 吉田菊子です。 ほぼ毎週木曜日の夜9:30から、20~30分、朗読をお届けする、zoom白菊朗読会。 前回、11月16日にご参加くださった皆さん、ありがとうございました! 今度は11月30日(木)です。 zoomミーティングに参加するには、 以下の「Launch Meeting - Zoom」と青い文字で書いてあるところをクリックしてください。 ミーティングIDやパスワードの指定をする必要はなく、直接、ご参加いただけます。 (青い文字の下にある【注意事項】も、必ずご確認ください。) Launch Meeting - Zoom ※ 過去の回の青い文字をクリックしても、ご参加できませ…
作家泉鏡花(いずみきょうか)は、1873(明治6)年11月4日に金沢市下新町で生まれました。 今年は生誕150周年になります。 泉鏡花は、室生犀星、徳田秋声と並ぶ「金沢三文豪」のひとりです。 泉鏡花記念館の父子像 目次 幼少期における作品の影響 泉鏡花の世界 『婦系図』 映画『夜叉ヶ池』 潔癖症 泉鏡花記念館 幼少期における作品の影響 泉鏡花は加賀象嵌(ぞうがん)の彫刻師を父として、そして能楽師の娘を母として、金沢の地で生まれ育ちました。 しかし、母親は二女やゑ出産直後に産褥熱のために20代で逝去し、鏡花は幼心に強い衝撃を受けます。 幼少期における故郷金沢や母親の思い出は、後年に至るまで鏡花の…
小春日和を通り越して、ポカポカ陽気の日。明日からは冷え込みそうだが、棚主になっているローカルブックストアkita.のイベント「本は港」が始まる。https://honmina.com/ 今日はみなとみらいのstory story yokohama で前夜祭。30名限定というので応募したら残念ながら落選😹…まあ仕方ない。 久々に読んだのは、学生時代から愛読していた富岡多惠子さんの3冊。懐かしくなって、小説家デビュー作も引っ張り出しました。 「私が書いてきたこと」 2014年10月10日 初版第1刷発行 発行所 編集グループSURE 「大阪センチメンタルジャーニー」 (1990年11月1日~199…
室生犀星学会の機関誌『室生犀星研究』第46輯が発刊された。巻頭論文、森晴雄氏の「鮠(はや)の子」は「“再生の願い”と“老年の哀憐(あいれん)”」との副題が付いている。この作品は、『はるあはれ』(S37年 中央公論社)に収録されていて、高校生のころ読んでいる。後に書いたわが短編小説にウグイ(鮠=主に関東での呼び名)の水槽を出したのは、その影響であった。 昨今文学研究・批評においてアダプテーションについて盛んに論じられている(門外漢としての)印象があるが、本研究誌でも鈴木暁世氏の「『あにいもうと』とその映画化(1)」の発表があり、〈星の広場・犀の眼〉にたまたま拙稿「犀星作品の舞台化」が掲載されてい…
1.小学生が読んではいけない本 〇「人気シリーズ」 〇「名作のダイジェスト本」 〇ライトノベル 〇大人に人気のファンタジー 2.中学生でよむべき本 読書=教養 読むべき本 小学高学年で読んでほしい本については、こちらの記事で書きました。 peter-lws.hateblo.jp 今回は、小学生で読んではいけない本、そして中学生になったら読むべき本について書いてみたいと思います。 1.小学生が読んではいけない本 普通に出版され、そして売られている=買われている本について、「読んではいけない本」扱いするのも失礼な話ですよね。ここで言いたいのは、「頭脳が発達する大切な時期に読むのは時間の無駄である本…
先日訪れた漱石山房で購入した三好行雄編『漱石書簡集』(岩波文庫)を読んでみた。 漱石は手紙魔であった。手紙を書くことも、もらうことも好きだった。岩波書店版『漱石全集』の第14巻、第15巻には2252通の漱石の手紙が収録されている。そのうちの158通を編んだ書物で、家族、友人、弟子、公的な手紙などが掲載されている。 漱石の時代は、様々の連絡は手紙で行われた。漱石の手紙には、心を許した人たちへの愛情のこもった配慮がうかがわれる。漱石の志、生きる心構えなどが率直に、自在に語られている。漱石の素顔、本音に接することができて非常に興味深い。『漱石全集』第14巻、第15巻を入手したい。 夏 目漱石は、何を…
芥川龍之介作品の読了記録。どれもスキマ時間でさくっと読めるものばかり。 感想というより自分用の一言覚書。タイトル50音順。 太字のみは本文からの引用です。
昭和十年代後半の戦時下と同様に、戦後の昭和二十年代前半の出版業界も不明な事柄が多い。その背景には国策取次の日配の解体に伴う東販や日販などの戦後取次への移行、出版社・取次・書店間の返品と金融清算、三千社以上に及ぶ出版社の簇生と多くの倒産などの錯綜する出版状況がある。 その一方で、前回の大西巨人『精神の氷点』を出版した戦前の大手出版社の改造社は解散し、消滅してしまった。そうした事情ゆえに改造社は社史も全出版目録も刊行されておらず、『改造』の内容の明細も含め、出版物の全容は明らかでないし、みすず書房による『精神の氷点』新版が刊行されなければ、この小説が改造社から既刊であったことも知らずにいただろう。…
久々に遠出してきました。日帰りですが。 www.favo-soft.jpフェイバリット最新作『ハッピーライヴショウアップ!』シリーズのうち、数少ない国内背景CGのうち一つです。室生犀星旧宅(軽井沢) もうちょっと広角で撮らないといけないですね。 ↑同じ敷地内にある母屋。場所は軽井沢駅から徒歩2~30分の旧軽井沢エリアですが、静かな別荘地にあります。毎年公開時期は春~11月最初の連休までなので訪問日(11/4)はギリギリでした。 なお、軽井沢駅はあっぷりけの『月影のシミュラクル』に登場します。訪問日:2023/11/4(日帰り/往復 西武バス利用)キャプチャ画像の著作権はフェイバリット様にありま…