森鴎外の小説。初出:大正5年1月「新小説」 この小説の原拠は「寒山子詩集」序や「宋高僧伝」にある。「寒山拾得縁起」によると、子供たちにせがませてはなしてやったものを、そのまま書いたのだという。 この作品で鴎外は、本当の価値もわからずに、盲目の尊敬をする俗世間の役人たちを戯画化した。痛烈な批判である。
鴎外歴史文学集〈第4巻〉寒山拾得・細木香以・寿阿弥の手紙ほか
高瀬舟,寒山拾得 新潮カセットブック M- 5-1
高瀬舟,寒山拾得 CBS/SONY BOOKS ON CASSETTE 4
いつになったら涼しくなるのやら…東京国立博物館の表慶館で開催されている寒山百得展に行ってきた。 美術館のエントランスのところで借りた「日傘」をさして表慶館までいく。 会期初日だからかすごく空いている。館内の冷房が間に合わなくて所々で大型扇風機がかかっているので、汗が引くまで風に当たらせてもらう。 101点もの寒山拾得図を一挙初公開。 大谷翔平もいるし アトリビュートの箒と巻物をもっている作品 作成した日が掲示されている以外は何の説明もない。全作品が「寒山拾得」である。 守景「納涼図屏風」風 ジョルジュ・デ・キリコ風 表慶館は入ることがあまりないけど、床のモザイクと天井のレリーフが素敵だね。 一…
ひさしぶりに文庫本を読んだのですが、なんか落ち着きます。 手ざわりがやさしいし、紙面がまぶしくないし。 紙っていいですね。 家読みなら紙にかぎります。 読書の秋がきたら(まだまだ暑いですが。。。)紙の本をもうすこし読みたいなぁと考えています。 お時間に余裕ございましたら読書感想文をぜひご覧くださいませ。 _(._.)_ okanelevel1.com
寒山拾得(かんざんじっとく)の委しい評伝が読みたくなりネットを漁る。 寒山は、中国唐代(7世紀頃)、浙江省天台山に住んだ、修行者・禅僧であると言い伝えられ、その友人・拾得とともに、奇怪な風貌、常人離れした言動、奇瑞などにより、後世神聖化され多くの伝説・詩文・絵画を作り出してきた。ニタリと不気味に笑う寒山拾得のアルカイックスマイルが岸田劉生「麗子像」のモデルとなったことは有名である。 寒山は詩人でもあった。その作品集『寒山子詩集』により、伝説に覆われ隠された、実像に迫ることができる。二人の事跡は閭丘胤(りょきゅういん)が書いた『寒山子詩集』の序文に最も詳しく述べられており、後の伝承・伝説・図画の…
愚者は”意味のあること”を追い求め、 その結果、 意味のない人生を送った。 一方、賢者は ”意味のないこと”に夢中になり、 結果として、 やっぱり、意味のない人生を送った。 チャン、チャン。
今日教えていただいた禅の言葉 微風幽松(びしょうゆうしょう)を吹く (寒山詩) 日本の坐禅は、臨済宗といった禅宗だけでなく、あらゆる宗派が坐禅をやっている。なので、公案も天台宗、真言宗の話も入ってくる。仏教だけでなく、老荘思想、神道、儒教など、共通した真理に基づく公案もある。 「微風幽松を吹く」は、かなり昔から公案として使われている言葉で、寒山拾得(かんざんじっとく)という風狂(ふうきょう)の僧の詩。寒山拾得は、行動が奇矯な人で、山に住んで、ゴミを食べて生きていた?!と言われる。歴史上の存在は不明で、伝説の人だが、多くの詩を残していて、寒山詩と言われている。 *風狂(ふうきょう)もと精神病者(…
<李白・杜甫が心酒を嘗めて 寒山が法粥を啜る さて きょうはどっちをいくべきか> 「夕涼み よくぞ男に 生まれけり」などの句で人気の宝井其角(たからいきかく)は松尾芭蕉の弟子の俳人ですが、1683年に初の句集「虚栗(みなしぐり)」を出しています。 その後書きに芭蕉が書いたのが「李白・杜甫が心酒を嘗めて 寒山が法粥を啜る」 弟子の句の出来を評した言葉の一部ですが、最高級の褒め方ですね。其角という人も相当の才能です。酒を愛して、呑んでは詩を吟じたとされる李白と杜甫は、8世紀、唐の時代の詩人ですね。二人とも酒で死んだとされています。そう言われるほどの酒好きだったそうで、酒といえば李白、杜甫なんですね…
65歳になったが、今だに初めての単語に出会う。 昨年、出会ったのが「寒山拾得(かんざんじっとく)」。ふとチャンネルを合わせたNHKの番組で、横尾忠則が「寒山拾得」ならぬ「寒山百得」の展覧会を、東京国立博物館で開催するという。 https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2598「寒山拾得」とは、中国,唐の伝説上の2人の詩人で、拾得は国清寺の修行僧、寒山はその近くの洞窟に住み、拾得が食事係であったので残飯をもらい受けていた。ともに世俗を超越した奇行が多く、また多くの詩を作ったらしい。横尾忠則は展覧会の為に、その2人の絵を100余り描いた…
■ 絵画等のこと⑲ 2024年3月3日まで千葉市美術館で開催中の「サムライ、浮世絵師になる!鳥文斎栄之展」を拝見、同時開催の「武士と絵画 ―宮本武蔵から渡辺崋山、浦上玉堂まで―」および常設展「千葉市美術館コレクション選 生誕140年 石井林響とその周辺 他」も堪能したので感想を記す。 www.ccma-net.jp ● サムライ、浮世絵師になる!鳥文斎栄之展 のこと youtu.be 鳥文斎栄之(ちょうぶんさいえいし・細田栄之とも、1756~1829年)が主に残したのは、女性を描いた美人画であり私の関心からは外れているので、正直なところそこまでグッと来る展示ではなかった。ただ、キャプションが丁…
巻物と箒。ああ、寒山拾得ね、とすぐにピンとくる日本人どれくらいいるのかしらね。 寒山拾得(かんざんじっとく) The British Museum所蔵 かんさんじつとくのもやう かんさんは ははきをもち拾とくはまきものをもつその心もちはかりをふうりうにしたるつなりあさみは はなのかたちからめきたるゆへに そうをうしたるものなれは あしらへたるなり此のづのこころにて何にても思ひ付へきなり あるひはせきこう長りやうならは なみにくつのながれたるに かんふりか馬のあふみ などをあいしらうたぐひ 或は松にはばき さらへをあいしらへば高砂とみゆるたぐひなりーーー寒山拾得の模様 寒山は箒を持ち 拾得は巻物…
ついに万年筆の「寒山拾得」となりし我ーそんな「限定万年筆」での樂しかった思い出と僕の片割れの性格の惡さに就いてー 前回述べたヤフオクに出されて居る巨大な萬年筆はナミキブランドでは無くパイロット製となって居る訳です。 まずは当時其れが有ったのかどうかと云うことですがおそらくは有ったことでせう。 いずれにせよ古い萬年筆の鑑別は可成に難しい訳です。 マルイ商店|上野アメ横商店街公式サイト (ameyoko.net) さてこちらは兎に角とても懐かしい御店です。 かって自分は此処マルイ商店さんの常連客でありつまりは御得意様でもありました。 こちらからは主にレアーな御品ーなかなか入手が難しい限定品ーなどを…
一月二十五日の朝、京都も「雪化粧」するほどの雪が降った。蕪村に「宿かせと刀投出す雪吹哉(ふぶきかな)」という印象深い句があるが、芭蕉が詠んだ「雪」の句はどうであろう。「はつゆきや幸(さいはひ)庵にまかりある」待ちに待った初雪を己(おの)れの庵で見ることができた喜び。「初雪や水仙のはのたはむまで」「時雨をやもどかしがりて松の雪」もどかしい思いで見ていた時雨が漸(ようや)く雪となった思い。「しほれふすや世はさかさまの雪の竹」子に先立たれた知り合いに宛てて詠んだ句。「霰まじる帷子(かたびら)雪はこもんかな」ひらひら降ってくる雪が布地の小紋の模様のようだ。「今朝の雪根深を薗の枝折哉」葱が雪表の道案内。…
気に入らぬ風もあらふに柳哉 仙厓 岐阜県の農家の子が地元の臨済の禅寺で得度して小僧になったのは十一歳で、十九歳のとき神奈川県の寺へ移って本格修行に入る。師より印可を受け、寺を出て独り行脚の旅に出たのが三十二歳で、福岡県の寺へは三十九歳で入る。小僧時代を含めて、ここまで二十八年間の修行だった。以後引退までの二十三年間を住職として過した。 仙厓が画筆を執ったのは四十代後半からというから、住職として寺に落着いてからの画業ということになる。人を食ったユーモアと、達者なんだか乱暴なんだか得体の知れぬ豪快な筆致は初めからだが、それでも初期の画題は菩薩であり達磨であり、七福神であり寒山拾得である。つまり仏画…
根津美術館で開催中の「繍と織」。以前行った時見なかったものを主に見るため、もう一度行きました。前回みて気に入った展示ももう一度見ると、以前とはまた違った印象があるので、それも楽しみ。上代裂では、お気に入りの緑地狩猟文錦を重点的にみました。織って出している模様なのに、描いているような生き生きとした猛獣の姿が魅力の裂。馬上からおし捩りのような姿勢でその猛獣を弓矢で狙っている人の姿も、狩の決定的な瞬間を表していて素敵です。前回じっくり見ることができなかった帖に貼り付けた小さな布たちもじっくり観察。飛鳥時代や奈良時代の布が残っていると、この時代にとても貴重であったであろう希少なものだったとしても、この…
【きょうの一枚】北隣家の物置から出された品々。 洗濯機を回していたら玄関で声がする。誰かと思ってドアを開けたら外に若い男が立っていた。 その人が私にチラシを寄越し、便利屋だと名乗る。 チラシに目を通した。そこには東京・立川のお店の住所が書かれてあった。 わざわざ立川から来たのかと思って労ったら、近所に用事があってついでに立ち寄ったと言う。なんだそういうことか、よくある手だ。 その男の人は、過去に使って不要になったテレカとかタンスの奥にないかと言う。タンスを見せてもらっていいかとさらに突っ込む。なるほど、問答無用で家宅侵入する気だな。 そう思ったから事情を話した。 孫と一緒に住むことになって部屋…
今日は、某委員会主催の現役作業療法士を招いての講演。 用意された演題は「転倒予防の生活上の対策〜高齢による機能低下の視点から〜」。 講演が始まる前、寄り集まった年寄り連中が、転倒を予防するよりもどうしたら転倒しないか知りたいわねえ、と和菓子を頬張りながら勝手なことを言ってる。それを小耳に挟んだ市の人が、予防する前に倒れたらその時は病院の世話になるしかないわね、と呆れ気味に仰っていた。 講師の説明で印象に残ったのは「足の裏マッサージ」。 「老化は足から来る」とはよく言われることだが、それは、年を取ると足腰が弱くなって外出する機会が減るからだと思っていた。 それがどうも違うらしい。足の踏ん張りが効…
まもなく、臘八節(ろうはちせつ)です。 中国語では、腊八节[Làbā Jié] 中国で陰暦臘月八日(12月8日)に五穀豊穣を祝い、まもなく春節を迎える準備をする日。 仏教では、釈迦牟尼が苦しい断食の修業中にスジャーターという女性が食べさせてくれた粥で元気が出て、悟りに至ったのがこの日だそう。 今年の臘八節は、2024年1月18日(岁次癸卯腊月初八)です。 この日の朝、蘇州・寒山寺ではふるまいの「臘八粥」があるそうです。 寒山寺(かんざんじ)[Hánshānsì] 江蘇省蘇州市姑蘇区にある臨済宗の仏教寺院です。 寒山拾得の故事が有名ですね。 寒山寺の羅漢堂にて: 2024年1月18日 朝6:00…
国語教科書を、古文や漢文のそれと区別するために、現代文と呼ぶことがある。現代日本語の文章だから、現代文なのであろうか。そのまんまで芸がない。 文章は、読み手が一読してたちまち理解させるように書くのが、書き手の義務である。ああでもない、こうでもないと、文章をひねくり回さなければ、何が書いてあるかが、さっぱり不明な文章は、そもそも、読む価値がない。とはいえ、試験がある。 難解とされている「文章」を、読み解くには、ある種の能力が必要であるから、その能力の有無、大小を測って、より潜在力の高い人材を求める、というのが建前である。これを、俗に、頭がよいと言う。ならば、現代文読解の試験は、頭の良し悪しを測る…
大晦日に慌てて更新(笑) 11-12月の文化活動。 11/6上野の東京国立博物館「京都・南山城の仏像」展、「横尾忠則 寒山拾得」展へ。 仏像に詳しくない犬なので、前者は(世代的にも)みうらじゅんといとうせいこうの解説がありがたい。器用過ぎる感じがして、いとうせいこうは昔から(長いこと)どうも苦手なのだが、そろそろ『見仏記』は気になってきた。年のせいかもしれないなあ(苦笑)。 yamashiro-tokyo.exhn.jp www.youtube.com さて後者だが、横尾忠則はとにかくエネルギーを感じるので昔から大好きなんですよ。最近は寒山拾得を題材に取っているらしい。この寒山拾得、唐代の禅僧…
よろコンです。 いよいよ大晦日。今年も今日で終わり。 ブログもおサボり気味でしたが、最後に今年を振り返ります。 ちょっと長いですが写真ばかりの「おじさん百景」(某番組のパクリ^^;) 少しばかり、お付き合いください。 (1) (正月・初詣) (2) (寒い~) (3) (毎年恒例・蔵王スキー) (4) (東京でも降りました) (5) (御茶ノ水の夜) (6) (民藝・100歳) (7) (山梨・ほったらかし温泉) (8) (9) (彼岸頃、浅草) (10) (11) (とスカイツリー) (12) (春の小川) (13) (14) (15) (春・武蔵野) (16) (深大寺) (17) (根津…
久々に何もない一日。何もないのでたまには昼まで寝てみるか…と思ったらほんとに12時まで寝てしまった。朝普通に(自動的に)起きたら登山に行こうと思っていたが、取りやめとなる。明日に回す。着替えて適当に朝ごはんを食べて、掃除などを済ませる。米を炊くついでに1週間分の弁当も作っていい感じ。転職してから1週間の弁当を一気に作って冷凍する方式に落ち着いた。毎日同じ昼飯でも大丈夫な人だから成せる技。abobe illustratorの練習をして、本を読み、夜はプールで泳いだ。冬の閑散期に入ったためか、連続遊泳レーンに人がおらず貸し切り状態で泳げた。水泳くらいだな、子供のころから続いているのは。もちろん中断…
また招待券をもらったので展覧会に行きました。 夜の国立博物館~ 実際より明るく撮れた おい、ブレてんな。両方行きました。 やまと絵展は撮影NGなのであまり語ることはできません やまと絵展は死ぬほど展示数が多くて死ぬかと思ったね。しかもほぼ全てにキャプションが付いてるのでそれも読まざるを得ない。大変つらい。 葦手という概念を初めて知って、素敵な文化だなと思いました。 平安時代に行なわれた書体の一つ。葦、水流、鳥、石など水辺の光景の中に、文字を絵画化し、歌などを散らし書きにして書きまぜたもの。主として葦の群生したさまに模したものについていうが、水流のさまに模した水手(みずて)などを含めてもいう。あ…