随分前に読んだのだが、何を書いて良いのかわからないまま、時間が経ってしまった。書こうと決めた今でさえ、考えがまとまっているわけではないが、あがくことによって、輪郭くらいは現れてくるだろうと思っている。 君はすっかり読んでしまったら、この本を捨ててくれ給え ― そして外へ出給え 「地の糧」の序文ともいえる部分に書かれた、寺山修司さんが「書を捨てよ、町へ出よう」で引用したとして知られている文章だ。終わりの方にも似たような文があるので、どっちかか、どっちもかはわからないが。続けて「書を捨てよ」を冒頭だけ読んでみた。確かに「現状に留まるな」というエネルギーを発散するような文章が続き、テーマが「自由」な…