先祖還りを果した駄君子蘭は、第二陣の花首をもたげ始めた。先頭を切って勇躍開花した一輪は、すでに残骸のように萎れている。 劣悪な条件下に必死で花を着けたということは、彼らも生命の危機を予感しているのだろうか。快適な環境下にあれば、身を勁くし、球根を巨きくして、のうのうとはびこりながら、増殖また版図拡大に意を注ぐことだろう。このままでは危ないと前途に危惧を覚えればこそ、常ならぬエネルギーを使って花芽をもたげてきたのだろう。 下葉には、黄ばみが出たり、すでに枯れたりしている葉も見える。また想定を超える直射日光にやられたか、醜く葉焼けを起している葉もある。南方原産の植物にとっては、よくよくのことである…