派手な薄色の小袿《こうちぎ》に撫子《なでしこ》色の細長を 着ている取り合わせも若々しい感じがした。 身の取りなしなどに難はなかったというものの、 以前は田舎の生活から移ったばかりのおおようさが見えるだけのものであった。 紫夫人などの感化を受けて、 今では非常に柔らかな、繊細な美が一挙一動に現われ、 化粧なども上手になって、 不満足な気のするようなことは一つもないはなやかな美人になっていた。 人の妻にさせては後悔が残るであろうと源氏は思った。 右近も二人を微笑《ほほえ》んでながめながら、 父親として見るのに不似合いな源氏の若さは、 夫婦であったなら最もふさわしい配偶であろうと思っていた。 「ほか…