正徳2年6月14日。巳(午前9時)前、文左衛門は八郎右で瀬左と酒を頂く。加右衛門を従えて津嶋へ出かける。縫殿殿の構えから雨が降り始めるが、維摩院前で雨が止む。その後晴れて来て西風が涼しく、とても気持ちが良かった。甚目寺では道がとてもよく滑った。堂の北の岡で弁当を開き、酒や食事を頂く。ここからは一本道であった。勝幡の堤を少し上がり、景色を楽しみ、酒を頂く。このあたりには船が多くあったので津嶋まで乗ることにする。1人6銭で船に乗り、未半(午後2時)頃には津嶋に到着する。瀬左母の隣の片町兵八のところに腰を落ち着ける。湯などをつかい、飯・汁などを出させ、鱸を買い求めてすましにして食べるととても美味かっ…