はじめまして。 本稿は、現役の弁護士が司法試験問題を解く思考過程をできる限りそのまま記事にしようという試みです。 今回は令和5年の民法を扱います。 (問題は以下のリンクをご参照。) 001400045.pdf (moj.go.jp) それでは、はじめていきます。 〔設問1〕 まず、【事実Ⅰ】を頭から読んでいきます。 ①「令和5年4月1日、Aが遺言を残さずに死亡し、B、C及びDがAの財産を相続した。B、C及びDの間での遺産分割は未了である。」 ⇒民法は、配偶者と被相続人の子が相続人となる場合には、1:1の割合になることを規定しており(民法900条1号)、同順位の血族相続人の間では、等しく分けられ…