典故考究 お祭りの準備をしていて「去年どうだったかな?」と思ったことのある神職・総代は少なくないと思います。神社の祭祀においては前例・故実を重んじます。そして祭典を慣例通りに間違えなく執り行うためには、前の年はどういう風におまつりをしていたか詳細な記録を残す必要があります。 祭典の記録を残すことに力を注いでいたのが外宮の渡会氏であり、この膨大な記録と知識の蓄積がベースとなって伊勢神道が唱えられました。このように「慣例通りにきちんとお祭りを行うために記録を残そう、昔の記録を調べよう」という姿勢が神主の学問の出発点です。 「昔の祭祀はどうだったのか」、「この作法はいつからはじめられたのか」といった…