『洗濯物の万国旗や 雨晒しの自転車 タイムマシンで ほら戻った様に 何もかもあの日のまま』 或る歌の歌詞です。私にとってこの歌は私の高校時代の或る強烈な記憶と強く結び付いています。恐らく生涯それから私の心が自由になる日が来る事はありますまい。それでいいと思います。一生、それと共に生きる記憶。私の宿命として背負い続けるものです。 今度、私は九歳の息子とその場所を歩いてみようと思います。息子の手をひき、ゆっくりとその場所を歩いてみます。大震災で大きく様変わりした区画ですが、それでも間違い無く同じ場所です。私は勝手に息が止まるでしょう。そして四十五年の年月を経ても微動だにしない私の記憶に恐れ慄(おの…