孫立人將軍官邸は、日本統治時代の1909年に建てられた和洋折衷様式の木造二階建て家屋で、当初は台湾総督府土木局水道課の課長官邸として使用されていた。原設計は、現在も残る台湾の主要官庁を設計した森山松之助によるものである。 建設後は台灣總督的臨時官邸や日本陸軍高級幹部の接待所など多様な用途に使用され、1929年には、木造家屋部分が大きく増築されて、台灣軍(日本軍の台湾駐屯軍)司令官官邸として使用されるようになっていった。軍幹部の居住および接待機能も兼ね備え、日本庭園や回廊などもつけられた。 戦後からは、孫立人将軍が台灣陸軍総司令として赴任した際の官邸となり、その後は軍のクラブなどとして転用されて…