本の紹介文、ブック・レビュー。 通常はいわゆる新刊本について行われることが多く、読者の書籍選びにあたって参考に供する意味を持つ。
ニッポンの書評 (光文社新書)
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『土地は公共財』という本が面白かったので、国民経済計算周りや各国の土地制度の深堀りが書いたありそうなこの本を読んでみました。 同じことが何回も書いてある、「土地を公有化するべき」という結論が唐突に何回も出てくる、と元大蔵官僚の書いた文章としては雑なところもありましたが、やはり結構面白かったです。 以下メモです: ・地租改正で、無償で土地に対する私権の設定を行い、評価額の3%を金納させることを定めた。私権の設定により土地売買が可能になった。これは日本古来の土地制度を根本的に変えたが、対外的には税制を変えた旨の説明をしていた ・我妻民法の考え方「私人の創意に基づいて財貨の独占的利用をさせることが最…
非常に面白い本でした。 以下メモです: ・1948年頃の借地率は70%前後だった。横浜や函館などの新興都市、東京区部のような大名屋敷跡地が借地率が高かった。戦後はどの都市でも下落。 ・明治10年~45年までの物価の影響を取り除いた平均地価上昇率は9%。1955年~1985年も同程度。 ・地租改正で、町地の沽券地上の借地はそのままだったが、武家地の借地が消滅したと思われる。 江戸の借地が東京の借地になったわけではない p87 ・日清戦争後の明治末になり資本主義的な産業構造が確立すると、三菱や三井は資金を土地取得ではなく鉱工業部門に振り分けた。また、少し土地を処分している。借地借家法制定前には三菱…
《内容》 ハイソサエティの退廃的な生活。それをニヒルに眺めながらも、そんな世界にあこがれている作家志望の男娼。この青年こそ著者自身の分身である。また実在人物の内輪話も数多く描かれていたので、社交界の人々を激怒させた。自ら最高傑作と称しながらも、ついに未完に終わったため、残りの原稿がどこかに存在するのでは、という噂も。著者を苦しませ破滅へと追い込んだ問題の遺作! これは大人の小説だわ。 カポーティの最後の作品である本作の後に初期短編集を読んだんだけど、この読み順最高にエモいです。最高傑作かもしれない。でも、夢も希望もない。小説的な文体とか技術とかそういうのはカポーティにとって最高なのかもしれない…
マッキンゼーのシニアパートナー3名による共著。優れたCEOを200名抽出し、そのうちの数十名に直接インタビューして、優れたCEOの取り組んでいる仕事は何か、そしてそれらの仕事にどんな考えを持って取り組んでいるのかを明らかにした本。 既にCEOとして日々奮闘している人にとっては当然大きな示唆をもたらす本だと思うが、それ以外にも、将来的には企業経営を自分でしてみたいと考えている人や、普段CEOと関わりのある仕事をしている人にも、読む価値がある本だ。僕が考える、本書の素晴らしい点は大別して3つある。 1つ目は、CEOの役割を過不足なく、かつ明確に示している点である。本書では、大きく分けて6つの役割、…
定着と離職のマネジメント「自ら変わり続ける組織」を実現する「計画的人材流動性」とは作者:曽和 利光ソシムAmazon 読んだきっかけ 会社を運営している人にとって、社員の離職というのは常に頭痛のタネになっていると思います。私はなっています。 なので、こういう系の本はイヤでも目にとまるのですが、この本は社員に留まってもらう方法だけでなく、適切な離職についても論じている本ということで、Twitterで流れてきたのを目にして気になってAmazonで購入しました。 感想・レビュー まず、元リク本(元リクルートの人が書いた本)なのでリクルートの話です。 本の要旨は、変化の多い時代なので必要な人材はその時…
こんにちはしろはです。今回は『ぼくのメジャースプーン』(辻村深月/著)を紹介します。※本文にはネタバレを含む場合がありますので、ご注意ください。 ぼくのメジャースプーン (講談社文庫) 作者:辻村深月 講談社 Amazon あらすじ 人物紹介 感想 ネタバレありのコメント 全体を読み終えての感想(ただの独り言) 何を伝えたかったのか(これもただの独り言) あらすじ 忌まわしいあの事件が起きたのは、今から三ヵ月前。「ぼく」の小学校で飼っていたうさぎが、何者かによって殺された…。大好きだったうさぎたちの無残な死体を目撃してしまった「ぼく」の幼なじみ・ふみちゃんは、ショックのあまりに全ての感情を封じ…
永井荷風や織田作之助が好きな僕が面白いと思える一冊。明治期の東京に住む筆者を通して江戸期の風俗が垣間見ることができる。「逝きし世の面影 渡辺京二」の世界のようでもあり、現代に生きる僕の日常におきる付き合いの世界のようでもある。 文豪夏目漱石のイメージとはまた違う、近所のおじさんとして身近にいれば普通におつきあいできるのにと思わせる。「こころ」「草枕」なんかの女々しいばかりの重畳的な文章に読みにくさを感じていたが、こんな人がかいているのか、と思うと”女々しい文学作品”であっても再読したくなる。筆者と読者の間を隔てる霧が少しばかり晴れるような思いがする。 しかし江戸の地名って、それだけで物語を感じ…
www.seidosha.co.jp 食品ロスの問題は日本でも度々話題となっている。北欧のスウェーデン、デンマーク、オランダの食品ロスへの取り組みが、筆者の取材を基に具体的に紹介されている。 筆者は「食品ロス」をテーマにYahoo! ニュース個人に記事を掲載している。2018年、それが評価されYahoo! ニュース個人オーサーアワードを受賞。受賞によって、2019年北欧に行き取材できることとなり、Yahoo! ニュース個人に取材記事を書いている。この本は、それら取材記事と、取材の振り返りがまとめられている。 ざっくりというと・3R(スリーアール)を守りましょう。・賞味期限を過ぎても、おいしく食…
インフレが進行しています。 今月の電気代が7万を超えひっくり返りそうになりました。 オール電化なので被害は甚大です。 ウイルスやインフレも平等に人々を襲いますが 被害は弱者に集中します。 いよいよ、末端の物価(購入価格)が上昇してきました。 ここ、20年で初めての現象が起き始めました。 「価格据え置き作戦」はもう限界に来たようです。 輸入→メーカー→小売り の流れでやっと末端価格が上がり始めました。 日本国内だけであれば、物価が上がらない事は特に問題とはならないですが 海外と貿易をしているので、国内外の価格差が開く事はよくありません。 つくづく鎖国が好きな国だと感じます。 それに外圧(ウイルス…
おはようございます。 読書がライフワークになっている 医療業界のコンサルタント ジーネット株式会社の小野勝広です。 人間ってのは 年を取ると偉そうになり、 お偉くなると傲慢になり、 いつの間にか学ぶことを忘れてしまい 自分勝手な振る舞いが増えてきますね。 クレーマーは60代男性がダントツに多いと言われますけど、 ま、そういうことなんだと思います。 もちろん当てはまらない人も多いですし、 おそらくそういう人は 年を取るほどに謙虚になり、 お偉くなるほど自分を律し、 常に学びを大切にして いつの間にか人格者になっているのでしょう。 私自身も50代になり、 一応、経営者でもありますから 意識して学ば…
こんばんは☀️ トランポリンです(*^^)v 前回も、考える力を付ける方法について書きました✍️ trampoline777.hatenablog.com 今回も引き続き、考える力を付ける方法について書きます📝 4:ディベート思考を身につける 「考える力」をつけるには、ディベート思考を身につけるといいのだとか🤔 ディベート思考とは、ある課題に対して肯定・否定の両面から分析して問題解決しようとする思考法のことです✨ ディベート思考のトレーニング方法をまとめると以下があると言われています👍 ・会議に備え、自分の賛成意見と反対意見を紙に書いておく → 考えが明確になり、周囲に流されずに意思決定ができ…
www.webdoku.jp 別名 北上次郎の方が有名でしょう。椎名誠と本の雑誌を作った人であり、書評を身近なものに押し上げた人である。 本の雑誌連載の「笹塚日記」が好きで、真似をしようと試みて人生をだめにしたこともありました。笹塚を歩いたこともありました。若かったなあ。 「この人に読んでもらうために作家になるべきではないか」とさえ思ったこともありました。まあ何も書いてないんですけどね。でもその機会も永遠に失われてしまった。 もっと生きてもっとたくさんの本を読んでくれると思ってました。 予想以上に衝撃を受けております。自分は目黒さんの、こんなにファンだったのかと思い知りました。 自分も本が読み…
1月も今日を入れてあと2日、明後日はもう2月です。そんな中、先週のAサヒの夕刊にこのやうな記事が、 3ヶ月おき(やったっけ?)に、愉しく読ませて頂いている、池澤春菜嬢の書評です。が、最後に陽菜嬢の書評、これが最後やと書かれています!え〜それは無いやろ、Aサヒ、取るの止めたろか、とも思いましたが、気を取り直して読み返すと、最初に紹介されている、B・クラウチ氏のアンソロジーが面白そうです。と云うわけで、これは読まねばと、図書館の新刊を探したのですが未入荷のようです。ならばと電子本のサイトを覗いてみたのですが、 紙の本と同じ値段で売られています。電子本、印刷やら配本の費用が掛からへんよってに、紙の本…
ありがとうございます。これからも執筆活動頑張りますね(^_^) https://twitter.com/onbensecond/status/1618899752292327424 その他の今日の司法ニュース 他の人の前で排泄を強要され…高知刑務所で起きていた「受刑者いじめ」の壮絶な実態https://news.yahoo.co.jp/articles/fe6f89b85067f7610b82749c0088f7761c2b29cd 【書評】日本の三権分立は機能しているか 司法の独立を目指す制度を巡る群像の歴史https://news.yahoo.co.jp/articles/7c75ab4f…
かつて当たり前に存在していたもので今は無くなりつつあるものをまとめている本です。 エリアによっては現役だったり、人によっては現役だったりするものもあるので完全に絶滅していませんが懐かしいキーワードが躍ります。 生活(衣食住)からは「アベック」「聖子ちゃんカット」「いちご用スプーン」等 学校からは「父兄参観」「電話の連絡網」「ボンナイフ」等 趣味・娯楽からは「接待ゴルフ」「カラーひよこ」「ポロリもあるよ」等 仕事・技術からは「ダフ屋」「ポケベル」「公衆電話」等 絶滅というより無くなっていった文化、風習が多いのですが「こんなのあったな~」と懐かしく思いながら読むのが楽しかった。 カラーひよことかは…
お仕事 3 日出社, 2 日在宅. 先週, 髪の毛を切ったが, その直後に寒くなり, 出社のときはマフラーをしてても首筋がスースーした. 気温が低めで, 温かい飲み物を飲む回数が増え, その分, トイレへ行く頻度も高くなった. とある打ち合わせ. 参加者の都合が合わず, 約 1 週間後の開催となったのだが, 所要時間は 15 分程. それだったらどこかの隙間にねじ込んで, さっさと終わらせたかった. Covid-19 5 類への移行が 5/8 に決まった. 国の方針がどうであれ, 今後も第○波に飲み込まれないように 自衛をしていくと思う. 雪 全国的に気温が下がり, 私の住んでいる地域でも雪が…
第68回江戸川乱歩賞受賞作。史上最年少、選考委員満場一致。 など、新聞の書評などでみて気になっていた「特殊設定」ミステリー、荒木あかねの「この世の果ての殺人」を読んだ。 というか、Audible(オーディブル)聴き放題に追加されていたので聞いた。 参考:本の虫へのご提案あ~読めないなら読んでもらえばいいのよ~ 此の世の果ての殺人 作者:荒木あかね 講談社 Amazon あらすじ 小惑星「テロス」が日本に衝突することが発表され、世界は大混乱に陥った。そんなパニックをよそに、小春は淡々とひとり太宰府で自動車の教習を受け続けている。小さな夢を叶えるために。年末、ある教習車のトランクを開けると、滅多刺…
以前、ヤフーブログで書いていたけどヤフーがブログ機能をなくしてしまったのでこちらに移ってきた。 その際にデータ移行も出来たけど、面倒なのと古い自分の愚痴を見るのが嫌でやめた。 今にして思えば、愚痴はともかく読んだ本の感想や日時を失くしたのは痛かった。 宇江佐真理さんの髪結伊三次シリーズを読むのは2度目となる。 最近、文庫本が高くなった。 こちとら貧乏人は単行本はよっぽどでないと買えないので、文庫本になるのを待って買ってたけど、 その文庫本が高くなってやってらんねー などと思い、以前に読んで面白かった本の読み直しをする事にした。 それがこのシリーズ。 以前購入した物は母にあげてしまっていたので、…
最後の証人 「佐方貞人」シリーズ (角川文庫) 作者:柚月裕子 KADOKAWA Amazon あれ、柚木裕子さんってこんな感じだったっけ? 「孤狼の血」から入って「盤上の向日葵」でなんかいいじゃんって思って、何の気なしに手に取った本作。 酒酔い運転による交通事故で息子が亡くなったにもかかわらず、公権力行使で犯人が不起訴となり、冗談じゃねーぞと立ち向かう夫婦のお話です。 序盤から色々違和感ありつつ、終盤の真相を詳らかにするくだりは、そんな証拠のない憶測だけで法廷の雰囲気ガラッと変わるもんか?ほとんど「多分こう」って内容を、検事の熱弁だけでそこにいる皆がそれを真実と受け入れるのは短絡過ぎね?と冷…
もうダメかも ゾンビと資本主義 もうダメかも ある日の本日の返却本? もうダメかも――死ぬ確率の統計学 作者:マイケル・ブラストランド,デイヴィッド・シュピーゲルハルター みすず書房 Amazon ググったらこんな書評があった:『もうダメかも』は今年ベスト級のノンフィクションだ! - 新刊めったくたガイド|WEB本の雑誌 こっちも:人生を確率を通してみる、今年ベスト級の科学ノンフィクション!──『もうダメかも──死ぬ確率の統計学』 - 基本読書 って、筆者一緒? 危険は見る者の神経に宿っている たぶんこの話だと思うんだけど:死からの生還。これまで確認されている中で最も低体温の状態で生き抜いた女…
・本書の書評について " data-en-clipboard="true">どうも管理人のポポリッチです。 最初に本書の書評についてになります。 これは本書に限ったことではありません。 当ブログの書評は私なりの書評と言います。 本書の読者層。 高校受験を控えている人。 その両親に向けて書かれています。 つまり、高校受験を控えた親御さんです。 私は読者層からは離れています。 とは言え本書からも学べるところはあります。 私は内申点を90日でアップさせる方法が気になりました。 その辺りをご了承の上で本書を語っていきます。 書名:高校受験「内申点」を90日でアップさせる本~親子で実践! 著者:桂野智也…
「おもしろい本を読みたい!」 この記事では読書熱が高まっている人のために「読みたい本の探し方」をまとめました。 「似たような本ばかりで、ちょっとマンネリ…」 「新しい刺激が欲しい!」 そんな人にもおすすめのアイディアです。 情報収集は「サブスク」が便利 趣味を掘り下げるなら「レコメンド」を利用する 本の「引用・出典・参考文献」からたどる 「本屋」のメリットを利用する プロが選ぶ「選書サービス」を使う 読書家のおすすめがわかる「書評サイト」を読む 「無料」で読めるサイトを使う 本のイベント「ブックフェスティバル」に行く 個性的な「小さな出版社」から探す 情報収集は「サブスク」が便利 とにかく大量…
子どもの頃からSFが好きなんです。 学生時代に読んだ「究極の音楽」っていう小説が けっこう印象に残ってます。 この世には究極の音楽があって、 バッハもモーツァルトもベートーベンも、 みんな究極の音楽を探すために作曲していた。 そう考える主人公が最後に究極の音楽を見出して…… という話でした。 あれから何十年。 ぼくは毎日トイレで3か月くらい前の古新聞を読んでまして、 書評に取り上げられた面白そうな本を図書館で借りてます。 その1冊がこれ。 小川哲ってだれ? 全然知らなかった小川哲(さとし)という作家。 ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉を受賞した というので興味がわいたんです。 中短編集でした。 …
(今回は岩波新書ではない、ロビンス「組織行動のマネジメント」についての書評を「岩波新書の書評」ブログではあるが、例外的に載せます。念のため、ロビンス「組織行動のマネジメント」は岩波新書ではありません。) 昨今では行動経済学や管理経営学、組織行動学、行動心理学、組織心理学…らの研究書籍が流行して、例えばドラッカー「マネジメント」(日本語版、1974年)が、間歇(かんけつ)的に繰り返し時折ブームで世間の話題になったりしているけれども、この手の経営管理学の書籍は昔からあった。 そもそもの企業組織に属する個々人の適正能力・労働意欲(モチベーション)や組織への忠誠を高めたり、個人の反組織的行動を諌(いさ…