1. 導入:違和感の正体 電気自動車(EV)は「クリーン」「脱炭素」「未来の乗り物」という文脈で語られることが多い。しかし、技術者の視点で見ると、ある根源的な違和感がある。 なぜ地上に酸素が潤沢にあるのに、わざわざ酸化剤(エネルギーキャリア)を積んで走るのか? この構図は、実はロケット工学の発想に近い。ロケットは真空中で燃焼するため、燃料と酸化剤を両方積載する必要がある。しかし自動車は地上を走る。空気という無料の酸化剤がある。それにもかかわらず、EVは巨大な電池という「化学的酸化還元系」を丸ごと積載して走る文明的選択をしている。 これは技術史的に見て、かなり異様な文明ルートである。 2. 内燃…