文字 中国文化や日本文化など、漢字文化圏と呼ばれるアジアの一部を除いて、象形文字の伝統は、今日ほぼすべて跡形もなく消滅している。 抽象化の道を選んだのが、アルファベットである。 日本語の書き言葉の体系は、象形文字の子孫である漢字と、音節をひとかたまりに示す音節文字を組み合わせて使う複合文字形態である。 西欧の学者の言葉を借りれば、これほどわかりにくく、効率の悪い文字体系はありえない、ということになる。 どんな複雑な文字体系でも、人はそれを習得することができる。 日本の非識字率の低さは、日本の教育制度の充実を証明しているだけのことである。 アルファベットによる文字体系が漢字と仮名による文字体系よ…