映画や番組のエンドロールには結構な人数が登場してくる。近年は様々な映像効果があって、それに携わった人たちの名前が出たり、衣装のコーディネーターも主演級の俳優それぞれについていたり。タイトルの「本のエンドロール」とは、いわゆる奥付を指している。巻末の方にある、タイトル、発行日、著者、発行人、発行所、印刷、製本などの情報が記してある部分だ。印刷の場合、印刷会社の名前が入っているが通常だが、会社においては一定以上の人間が絡み、数だけの物語がある。 本がらみの小説やエッセイはそれなりに読んできたつもりだが、主人公はほぼ全員、書店主や編集サイドだった。安藤祐介「本のエンドロール」は印刷会社の営業・浦本が…