本の感想

ディフェンス (河出文庫) 作者:ウラジーミル・ナボコフ 河出書房新社 Amazon ナボコフの「初期の傑作」に位置づけられる作品。自身もチェス・プロブレム作家であった作家がチェスを題材に選んだものだが、チェスを一切わからなくても大いに楽しめるだろう……というか、別に題材がチェスである必然性があるわけではなく（自閉症めいた）主人公が世界を観る（象徴界を構成する）言語として選んだのがチェスだっただけで、もちろん技巧を凝らした表現のなかでは、チェスの象徴的な白と黒の升目のイメージが執拗に繰り返されるのだけれども、その言語は音楽であっても良かったはずだ、この作品のなかでの音楽の役割は、主人公にチェス…

新たな距離 言語表現を酷使する（ための）レイアウト 作者:山本浩貴（いぬのせなか座） フィルムアート社 Amazon 「小説家／デザイナー／批評家／編集者／いぬのせなか座主宰」という肩書きが著者のプロフィールには並んでいる。1992年生まれ。若い世代の作家。大江健三郎や保坂和志、あるいは現代詩など本書で扱われている対象のほとんどに馴染みがないのだが、「個々のテキストにはテキストを制作したとされる主体（当然、書き手そのものとはイコールで結ばれないフィクショナルなそれ）の思考と、それを取り囲み規定している環境が、埋め込まれている……そして詩や小説は、それら〈私＋環境〉をどう並べるか、そのレイアウト…

「え、何をめざすって？」 サジットが聞きかえした。 「自己ベストよ。自己ベスト記録とも言うわね。今日どんなタイムで走ったとしても、明日はそれよりも速く走ろうとがんばることよ。自分のベストをつくすの。ほかのだれのでもない、自分だけのベストをめざすのよ」 サイド・トラック／ダイアナ・ハーモン・アシャー作／武富博子訳／評論社 主人公のジョセフはアメリカの中学校に通う１２歳で、ＡＤＤ（注意欠陥障害）という問題をかかえています。ジョセフによれば、それは集中できないのではなく、間違ったものに集中してしまうのだという。 学校ではパワーのあるチャーリーにイジメられて、いつも逃げ回っています。そんなジョセフにと…

最近、メンタルヘルスの重要性がますます認識されるようになっています。 心の健康を保つためには、適切な食事と栄養が欠かせません。 今回は、メンタルヘルスと栄養の関係について詳しく見ていきましょう。 メンタルヘルスは、私たちの生活の質に大きな影響を与えます。 ストレスや不安、うつ病などの症状は、食事によって改善できることが多いです。 特に、脳の健康を支える栄養素が重要です。 例えば、オメガ3脂肪酸やビタミンB群は、脳の機能をサポートし、気分を安定させる効果があります。 また、食事が心の健康に与える影響は、血糖値の変動とも関係しています。 血糖値が急激に上がったり下がったりすると、イライラや不安感が…

日本霊異記／今昔物語／宇治拾遺物語／発心集 池澤夏樹=個人編集 日本文学全集 河出書房新社 Amazon 町田康訳の『宇治拾遺物語』を子供の読み聞かせにどうだ、と思って買っていたのだが、到底子供には相応しくない話が多分に含まれており、結局自分一人で読む羽目になった。『日本霊異記』に関しては別で過去に読んでいた。おどろくほど何も覚えていないが9年ほど前に記した記録によると性欲がらみの話を喜んで読んでいたようだ。なお、収録されているものはすべて抜粋。そういう大事な情報がどこに書いてあるのか、って感じだし（収録されている各説話の末尾に出典が記載されているが……）、どういう観点で抜粋されているのかが詳…

両親が仕事の関係で1年間ドバイに転勤になったため、ペイジ・ハートはその間イギリスの寄宿学校に入ることになりました。 ペイジは学期の途中で入って友達ができるかという不安と、もとは貴族の邸宅をそのまま学校にしたという由緒あるお屋敷での生活にもわくわくしていました。 「わあ、すてきなお部屋！」ペイジは思わず大きな声をあげました。 部屋は風とおしがよく、日あたりもよく、てんじょうはななめになっていて、ひさしの下につくりつけの戸だながならび、三角屋根のついた出窓がふたつありました。 ペイジの旅行かばんは、もう運びこまれていて、窓ぎわの、パッチワークのキルトかかかったベッドの足もとにおかれています。ベッド…

世界一流エンジニアの思考法 (文春e-book) 作者:牛尾 剛 文藝春秋 Amazon 予想以上にいい本。ともすれば「出羽守」的な内容になってしまいがちな日米のワーキング・スタイル／思考法の違いを「自分の人生や幸せに責任をもって、自分でコントロールする方法論」としてまとめあげているのが素晴らしい。 「自分の人生を自分でコントロールする」。自分の言葉に置き換えるならば「働く」という行為において「会社で働いている人（会社に働かされている人）」と「会社を使って働いている人（会社を道具として自分の目的のために利用している人）」との違いと重なる部分がある。 かならずしも全員が全員そうしたいと考えている…

こんにちは、めめです！！！一週間を総括して書き記したいところですが、なんか凄く嫌なことがあってそれに心が引きずられている感じです。自分も含めてですが人間という存在がどんどん鬱陶しくなるというか、一定の距離をきちんと保ちたい存在だなと感じています。本当に。さて、読書記録になります！ 久しぶりにビジネス本と呼ばれるやつを読んだり(ここには感想を記していません)、積読している本を途中まで読んで、もう一度本棚にしまったり、図書館で本を借りて読んだり。とりあえず読了した本の感想を記したいと思います。では、いってみましょう！！！ 1.透明な夜の香り 著者：千早茜匂いが鍵となる物語。主人公とキーパーソンの調…

マンガでわかる ジョージ・ソロスの投資術 ～相場の歪みを見る! 稀代の投機家の相場の見方! 作者:ループスプロダクション standards Amazon マンガでわかるジョージ・ソロスの投資術 マンガでわかるジョージ・ソロスの投資術 ジョージ・ソロスの投資術 このブログは投資について書いています 本の感想について書いています ジョージ・ソロスの投資術 ここ最近の投資本を読んだ中で めちゃくちゃおもしろかったです 伝説のファンドマネージャー ジョージ・ソロス めちゃくちゃ儲けたみたいですね あのジム・ロジャースとも一緒に仕事をしていたりとか イングランドをはめ込んだ話など めちゃくちゃおもしろ…

写真は基本的にだれが撮っても同じように撮れる。 だからこそ、撮る人がどう被写体を選び、どこに着目してどのように写すのかに個性が出ると思う。 普通にスマホカメラで撮ったものであっても。 撮ることはいまの自分の目線を確認することになるし、撮ったものを並べてみることで自分の思考や興味（着眼点）の傾向が浮かび上がる気もします。 おはようございます。 こぎん刺しのテディベア・動物ぬいぐるみ製作の、kogin＊bear style こひろです。 商品写真やイメージ写真、さらに前には史料調査で文書を撮影していました（コピーができないため）。 これらの写真の目的は、できるだけそのままを写すことで確認しやすくす…

ブログ、はじめました。 これまではnoteに書いていたのですが、自分のやりたいことがだんだんと明確になってきて、noteに記事を書くよりも、ブログで発信してく方が、これからの自分には合っているのかな、と感じるようになりました。 内容としては、映像や本の感想とか、旅の記録、日常のできごとを書きたいなと考えております。 自分のペースで、楽しんで書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

本の感想「ドッグテールズ」樋口明雄（徳間文庫)2022_02 短編6作品を収める。そのうち「向かい風」は南アルプス山岳救助隊K-９のシリーズの前日譚ということになっている。いずれの作品もイヌとヒトとの関りを描く。例えば、亡くした愛犬とそっくりの犬と出会った夫婦とか、優秀な猟犬と老ハンターとが挑む最後のクマ撃ちとか、様々な設定の物語。どの作品も読み易く印象的なラストが用意されている。「向かい風」は災害救助犬とそのハンドラーの物語で登場人物はK-9シリーズと共通していないが、ある遭難事件で救助犬を導入する試みを描いている。

当ブログはアフィリエイト広告を利用しています。 8月ごろに新宿の紀伊国屋書店に行った際、たまたま見つけた二冊の本。どちらも皇室の方が書かれた留学記。 テムズとともに――英国の二年間 作者:徳仁親王 紀伊國屋書店 Amazon 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫) 作者:彬子女王 PHP研究所 Amazon 特別、皇室に関心があるわけではなかったけれど（祖母が皇室ファンだけど）SNSでちょっと話題になっていたから留学記が出版されていることはなんとなく知っていた。 二冊並べておいてあって、なんか気になってしまったので、両方購入した。 紀伊國屋書店（新宿店）の売り場担当者さん、ここ…

お題「この前読んだ本」 あらすじ&レビュー 内容紹介不適切なかかわりが、子どもの脳を変形させる 脳科学が明らかにした驚くべき事実 「子どもの前での夫婦喧嘩」、「心ない言葉」、「スマホ・ネグレクト」に「きょうだい間の差別」──。 マルトリートメント（不適切な養育）が子どもの脳を「物理的」に傷つけ、学習欲の低下や非行、うつや統合失調症などの病を引き起こすことが明らかになった。脳研究に取り組む小児精神科医が、科学的見地から子どもの脳を解明し、傷つきから守る方途と、健全なこころの発達に不可欠である愛着形成の重要性を説く。 これは何のための本か？ 不適切な育児に対して警鐘を鳴らす本。 この本を読む理由は…

作中でも1週間のお話。実際、私が読み終わるまでにかかったのも1週間（おっそ） 今回はこちらを読了です。 「方舟」著・夕木春央 こちらも有名作品ですが、例によって例の如くオススメに絶対出てくるので 笑 何回も見ちゃうと「読まねば」ってなるから人間の心理って不思議ですよねぇ。 あらすじ 大学時代の仲間達と従兄弟7人で山奥の地下建築に主人公の柊一は訪れます。 そこに偶然出会った3人家族を含めて計10人。 夜遅くに着いてしまったため、仕方なくそこで一晩を明かすことに。 すると翌日の明け方、地震が発生し、扉の前に置かれていた岩が移動して扉が塞がれてしまいます。 さらには地盤に異変が起こり水が流入し始めて…

パート勤め始めて1週間。 長いこと仕事に出ていなかったのでどうなるのか心配でしたが、なんとか、、やれそう？？かな？？？ 廻りの方が皆親切なので良かった。 未だ慣れないこと続きですが、働いてみることはやはりした方が良い、と出てみて体感しています。 しかし、やはり、しっかり休むことも必要であるし、諸々ボランティアは大切なことに絞っていく必要があるのを感じています。 今、アリーナ関連では、受けているポスティングを完遂するのと14日のまなざしを開催するくらいが手一杯な感じです。 ポスティングは合間合間に廻る感じであともう1，2回行くくらいです。 話し合いの場は夜開催もあってなかなか行く事が出来ない。 …

本の感想「巡査たちに敬礼を」松嶋智左（新潮文庫）2024_03 連作の短編を6作収める。警察小説だがミステリーと共に犯人や捜査官たちの人物像を丁寧に描いている。描き方がしっくりくるところとそうでないところとが混在しているような印象を受けた。読みにくいというわけではないのだが、何かスムーズでないような感じがする。人物像や事件の相にすんなりと入っていけなかったのかもしれない。

こんにちは。ノーベル平和賞に日本原水爆被害者団体協議会が選ばれたと知ったサトーです。「被爆者の立場から世界に核兵器廃絶を訴えてきた活動を、高く評価」されたそうです。 www.bbc.com 一方で、パレスチナのマンスール国連大使が「私たちの血に価値はないのですか」と訴えたそうです。遠いところで見ている私には、この非対称性がなんとも悲しく侘しく感じます。早く停戦してほしいです・・・が、レバノンとイランも大変なことになっているので、本当に誰かが物理的にイスラエルを止めないといけない気もしています。 パレスチナのリヤド・マンスール国連大使「私たちの血に価値はないのですか。私たちの民間人には保護される…

あなたにこんばんは。 今日は朝から健康診断でやることがいっぱいだった、震えるほどの映画好き、AlkanetBooks代表の伊藤空彦です。😹 健康診断の結果は、即時解ったことと、1ヶ月後に解ることと2つあります。 内視鏡が2年ぶりに入りましたね。 その結果は、また後で述べるとして、今日の作業場のBGMは『リッジレーサーシリーズ』を聴きながら書いています。 それでは、ゆっくりしていってね。 健康診断の結果は……。 これからはやり方を変えてゆきますね。 ブログだって、儲かってないのでしょ？ 僕が本の感想から映画のレビューに変えた理由。 胃痛が気になります。 7年以上前のガス缶が終わりました。 電子書…