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桐壺更衣

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靭負命婦のいたわり🍂【源氏物語 5 第一帖 桐壺5】参りては、いとど心苦しう、心肝も尽くるやうになむと、典侍の奏したまひしを、もの思うたまへ知らぬ心地にも、げにこそいと忍びがたうはべりけれ

🪷「今までとまりはべるがいと憂きを、 かかる御使の蓬生の露分け入りたまふにつけても、 いと恥づかしうなむ」 とて、げにえ堪ふまじく泣いたまふ。 「『参りては、いとど心苦しう、心肝も尽くるやうになむ』と、 典侍の奏したまひしを、 もの思うたまへ知らぬ心地にも、 げにこそいと忍びがたうはべりけれ」 とて、ややためらひて、 仰せ言伝へきこゆ。 「『しばしは夢かとのみたどられしを、 やうやう思ひ静まるにしも、 覚むべき方なく堪へがたきは、 いかにすべきわざにかとも、 問ひあはすべき人だになきを、 忍びては参りたまひなむや。 若宮のいとおぼつかなく、 露けき中に過ぐしたまふも、 心苦しう思さるるを、とく…

輦車の宣旨🪷【源氏物語 桐壺11 short】輦車の宣旨などのたまはせても、また入らせたまひて、さらにえ許させたまはず。「限りあらむ道にも、後れ先立たじと、契らせたまひけるを。さりとも、うち捨てては、え行きやらじ」 とのたまはする

まみなどもいとたゆげにて、 いとどなよなよと、 我かの気色にて臥したれば、 いかさまにと思し召しまどはる。 輦車の宣旨などのたまはせても、 また入らせたまひて、 さらにえ許させたまはず。 「限りあらむ道にも、後れ先立たじと、 契らせたまひけるを。 さりとも、うち捨てては、え行きやらじ」 とのたまはするを、 女もいといみじと、見たてまつりて、 「限りとて 別るる道の 悲しきに いかまほしきは 命なりけり いとかく思ひたまへましかば」 と、息も絶えつつ、 聞こえまほしげなることはありげなれど、 いと苦しげにたゆげなれば、 かくながら‥ 目つきもよほどだるそうで、 平生からなよなよとした人が いっそ…