逝くものが残す記憶と新たに授かる命 今多くの場所で、樹木医が診断したうえで、朽ちて内部が空洞になったものや害虫に蝕まれ、再起が難しいものなどを対象にしてソメイヨシノの老木が伐採されている。 ソメイヨシノでなくとも、都市再開発という名目のもと、人間の身勝手な思いだけで伐採されてしまうケースも相次いでいる。 この樹の下で、あの樹の場所を目指して。これまで数十年も目を楽しませてくれた樹木は、人の記憶そのものである場合が多い。それだけに、これからも春を代表するアイコンとして人々を楽しませてくれたのではという疑問や無念さや心残りを感じることも多い。 生き物である限り、表舞台から姿を消すことは避けられない…