♪ 就職が決まって 髪を切って来た時 もう若くないさと 君に言い訳したね 余りに切なく甘い、多分それは初恋の終わりの歌だろうか。二人して見た映画を街角のポスターで思い出す。君もまたそれを見るだろうか、と。風景が頭に浮かぶ、あるいは風景を歌に込める。荒井由実一流の手法だろう、ただの風景に自分の心象を加える。彼女の書いた曲も詩も自分は今でも幾つも口ずさむ。学生集会にも出かけていたような大学生が、就職が決まり髪を切った。明日からはスーツ姿だよ。もう俺さ、若くないんだよ、とでも言ったのだろう。髪を切ったことは学生時代への別れでもあり彼女との終わりを意味していたのだろうか。恋愛とモラトリアムの終焉を描い…