平安時代成立の長編小説で、作者は紫式部。わが国の誇る古典文学の傑作であり、同時代を見渡して、これほどの完成度をもったノベルは世界でも稀。
54巻からなる。構成は三部に分けられる。
が、その全てが紫式部のてによるものかは、諸説ある。
また、宇治を舞台とした最後の10巻を特に「宇治十帖」と呼ぶ。
光源氏を主人公とし、その誕生から、幼年期・青年期・壮年期を描く。運命の紆余曲折を経ながら、光源氏が准太上天皇に上り詰めるまでを、さまざまな女たちとの色好みのさまを織り交ぜて綴る。
光源氏を主人公とし、栄華を極めた彼が、兄帝の娘・女三宮と結婚してからの晩年を描く。女三宮の登場に失意に沈み出家を望むようになる紫の上、柏木と女三宮の不義密通、さらには不義の子・薫の誕生など、栄華を極めたはずの光源氏に虚しさの陰りが忍び寄る。
不義の子・薫を主人公とし、宇治を舞台に展開するままならぬ恋と愛の物語。