第一章:モグラを掘り起こすツチノコ ディープ・トーキョー、第参層(サード・レイヤー)。ここは古都の地下街でも比較的明るく、文化的な施設が集まるエリアだ。その中でも一際異彩を放つのが、巨大な円形ドーム状の「底街中央図書館」、通称「チカトショ」である。 そのチカトショの、一番奥、ホコリっぽい古書コーナー。 「うっわ、古っる!マジでこの紙、いつから生きてんの?」 ツチノコワークスの主、サクは、分厚い辞書よりもさらに分厚い、紙の書籍の山に囲まれながら、うんざりした顔をしていた。彼は24歳だが、その口調とテンションは、常にネットスラングと最新のギャグで構成されている。 「サク、依頼主との待ち合わせは5分…