第九章 青春の定義 新学期。高校最後の二学期の始まり、と思えばまだ許せる始業式。ホームルームが終わった幸弘は太陽を待っている。 窓の外にはアスファルトから立ち上る陽炎がまだ夏は終わっていない、と存在を主張している。暑そうだな、帰るのだるいな、そんなことを考えながら、幸弘は今日も上田の惚気を聞き流している。 「でな、美風がまた今度、あの二人も誘ってカラオケでも行かないかって言うんだ。カラオケ店なら、勉強しても邪魔にならないし、受験生のオレらにはちょうどいいんじゃないかって」 上田は彼女のおかげで過去一充実した夏休みを過ごしたようだ。だが、幸弘はデートを合コンにした上田を許してはいない。 「……よ…