大力屋の大将、6円のコロッケのことをよく知っていた。末広商店街の名物だったという。『俺たちは、あそこのコロッケで育ったようなもんだ。』と大力屋の大将は力説された。場所は3軒西の並びで、昔は肉屋で『永楽』という店名だったという。今は花屋になっているがここも閉店してしまった。どこの店も後継者がいないのだろう。 自分が瀬戸に来た昭和53年には多分のもうなかったと思う。結婚するまではすぐ近くの1年間は学生寮の6畳一間に、その後一里塚の長屋に住んだので商店街はよく通った。自分は、みはと食堂でとんかつ定食と決まっていた。 永楽のコロッケは6円という値段とやや小さめで薄いがなんせ美味しかったという。その秘密…