モンちゃんとトシの暴走は何を意味するのか。巨大生物ヒグマドン、沈黙のマリアが象徴する現代社会の欺瞞と救いを読み解く。選挙とメディアの季節にこそ読むべき、現代日本への黙示録。知る人ぞ知るニッチな社会派マンガだが、その内容は重厚かつ鋭く、間違いなく名作である。読みづらさはあるが、それを超える価値がある。 ※本記事はアフィリエイトを利用しています。 はじめに 『ザ・ワールド・イズ・マイン』──その過激なタイトルとは裏腹に、この漫画が描いているのは、国家、メディア、そして人間の“本質”そのものだ。 多くの読者にとっては馴染みのないニッチな作品かもしれない。だが、この混沌と分断の時代にこそ読むべき、鋭く…