昭和100年に『日報抄(241231)』は思う▼〈降る雪や明治は遠くなりにけり〉(中村草田男)▼戦前、1931(昭和6)年の作、30歳の草田男はふと思い立ち、かつて通った小学校を訪れ、降りしきる雪の中、明治の頃の自分と同様に和服姿の子どもの姿が見られるものと思い込んだが、実際に現れたのは洋服姿の子だった▼「昭和100年」に当たる年の訪れ。大戦争も高度成長も共に経験したあの時代は、もう30年以上前に幕を下ろした。1年を振り返れば良くも悪くも昭和は遠くなったことを実感する▼今は変革のただ中にある。世の中が変わる速度も増した。あの頃は…などと、ノスタルジーに浸ってばかりはいられない。草田男のように、…